調達コストのリスク管理(62)2つのメッセージ<最終回>
- 大崎将行
- 新聞掲載
- Web掲載
- 日刊工業新聞
2つのメッセージ 経営レベルで明確に認識 2年半にわたってご紹介してきた調達コストのリスク管理も今回が最終回だ。この間、新型コロナウイルス発生に伴う原材料やエネルギー価格の急上昇という、前例のないリスクイベントにも遭遇した。本コラムの内容に沿って……
2つのメッセージ 経営レベルで明確に認識 2年半にわたってご紹介してきた調達コストのリスク管理も今回が最終回だ。この間、新型コロナウイルス発生に伴う原材料やエネルギー価格の急上昇という、前例のないリスクイベントにも遭遇した。本コラムの内容に沿って……
コスト・リスク削減を 過不足ないリスク対策 2021年度の決算発表も大方でそろった。終わった期の業績は概ね好調な企業が多かった印象だ。ただ、22年度今期については原材料価格やエネルギー価格の高止まりや見通しの難しさを理由に多くの企業が慎重な業績予……
エネ価格の影響を知る 原油価格との関係性把握 企業物価指数が歴史的な水準で高止まりしている。12日発表の3月の数値は前年比9・5%の上昇と前月に引き続きオイルショック時以来の高い伸び率を示した。一部の特定品目が値上がりしているというよりは、品目問……
オーバーヘッジの回避 「上限数量」設定した運用 新年度入りを契機に多くの最終製品で値上げが実施された。もろ刃の剣になることを覚悟の上、価格転嫁を決断した企業も多いだろう。企業努力で吸収できる調達コストの上昇にも限界がある中で苦渋の決断であったこと……
リスク対策に潜むリスク低減 金融商品を用いてヘッジ コロナ禍を受けた供給不足やロシアのウクライナ侵攻などを契機に、あらゆる資源価格、燃料価格の上昇が止まらない。想定外の価格上昇による中期経営計画の見直しに伴い、調達コストのリスク管理体制整備に着手……
円安から考えるリスク対策の意味 原燃料「変動性」極めて高く 米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めと同調して、円安リスクが強く意識され始めた。原燃料を輸入に頼る日本においては、ほとんどの原燃料の調達単価が、ドル建て原燃料価格×為替レートで決……
リスク評価「顕在化する確率」議論を 頻度“軽重”決め対処適切に 多くの企業において、来年度の収支計画の策定も大詰めを迎えるころだ。例年にも増して、2022年は調達コストのリスク対策の検討に多くの時間が割かれているだろう。リスク対策の検討に当たって……
海外からの原材料調達の正体 生産国のリスク要因も輸入 世界的に原油価格をはじめとしたエネルギー価格の上昇が止まらない。北海ブレント価格は1バレル当たり90ドルに迫り、7年半ぶりの水準まで達している。期末を迎え、期初のエネルギー価格の想定値との比較……
インフレトレンドへのリスク対策 「調達単価」早め早めに確定 2021年ほど調達単価のリスクに翻弄(ほんろう)させられた年もないが、ここ直近のインフレ基調への転換により、日本企業においても調達コストのリスク対策への意識が大きく変わってきたことを実感……
“秘密兵器”としてのリスク対策 将来コスト読み真逆の攻め ヘッジをはじめとした調達コストのリスク対策の役割が、リスク要因が顕在化し調達単価が上昇した際の単価抑制策として一般的に認識されていることに何ら疑いの余地はない。しかし、この調達コストのリス……
インフレリスク顕在化 抑え込む 「平時のうちから」対策で差 資源や素材などの原材料価格の変動性が高止まりし、このインフレ傾向がしばらく続くと想定される中、調達コストのリスク対策を日常的に行ってきた企業とそうでない企業では、足元の調達単価に明確な差……
リスク対策評価「説明」の重要性 事前の備え、理由を丁寧に 調達単価のヘッジや事前の値決めなど、調達コストのリスク対策については、その“結果”だけを見てリスク対策の成否が議論されがちだ。リスク対策を実行する上で少なからずのリソースやコストが発生する……