調達コストのリスク管理(50)通常の動きと異なる価格の急騰
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- 日刊工業新聞
- 大崎将行
通常の動きと異なる価格の急騰 致命傷を避ける“保険”必須 現在、ほとんどの資源・エネルギー価格で上昇トレンドが継続中だ。上昇・下落を繰り返しながら、徐々に価格水準を切り上げていく商品が大半の中、短期間に一方的に価格が急騰する商品も目につき始めた。……
通常の動きと異なる価格の急騰 致命傷を避ける“保険”必須 現在、ほとんどの資源・エネルギー価格で上昇トレンドが継続中だ。上昇・下落を繰り返しながら、徐々に価格水準を切り上げていく商品が大半の中、短期間に一方的に価格が急騰する商品も目につき始めた。……
エネ価格高騰と来年度予算策定 ルーティン回し続け対応を 世界的な需給の逼迫(ひっぱく)を背景にエネルギー価格の上昇が止まらない。原油価格(BRENT)はバレル当たり80ドルを超え、年初(同50ドル)比では約1・6倍。脱炭素で注目を浴びる石炭(豪州……
持続可能な経営に向けたリスク対策 予算策定契機 事前の備えを 世界的に資源・エネルギー価格のインフレ基調が止まらない。コロナ禍からの正常化に伴う需要の増加はもとより、脱炭素化の流れを起点とした供給サイドの制約の影響も大きい。この世界的な潮流は中長……
調達コストのリスク管理の観点からの予算策定ポイント 市場見通し参考に自分の手で 毎年この時期になると、調達担当の方々から当社宛てに、次年度予算策定のための市場動向に関する質問や市場見通し作成の依頼を受ける。当社としては、一通りの市場動向に関する情……
リスクの受け止め場所 予算措置か自己資本で吸収 【全社に及ぶ影響】 調達コストのリスク管理の大まかな流れとしては、調達コストのリスクの把握、リスク許容度の設定、リスク対策の設計・実施、と三つの段階に分けられる。このうち、調達コストのリスクの把握……
原材料・素材価格上昇へ抜本的な対策 原因把握“正しい処方箋”を 【1兆円の減益】 原材料や素材価格の世界的なインフレ傾向に歯止めがかからない。直近の米国の生産者物価指数(PPI)は前年比7・8%、前月比1・0%の伸び、日本のPPIは前年比5・6……
都市ガスコストのリスク対策 直接交渉・金融取引でヘッジ 【“調整項”】 都市ガスの従量料金は、原料費調整制度という都市ガスの原料(LNG&一部LPG)の価格変動を単価に反映させる仕組みの下、料金改定時点の原料価格を基準とした「基準原料価格」と直……
都市ガスのコストと原油価格 半年―9カ月、時間差で連動 【広範な波及経路】 世界的にエネルギー価格の上昇が続いている。特に原油価格の上昇はさまざまな波及経路を通じて、タイムラグ(時間差)を伴いながら直接材・間接材と広範に影響を及ぼす。従って調達……
市場価格変動の波及経路とタイムラグ 「いつ・どこに」全体像把握 原油価格の上昇が止まらない。世界的なコロナワクチン接種率の高まりによる需要回復やOPEC(石油輸出国機構)プラスによる減産幅の維持など複数の要因が重なり合い、趨勢(すうせい)としては……
リスク対策実施による副次的効果 全ての業務スムーズに回る 調達コストのリスク管理において“事前の値決め”や“ヘッジ”といった対策を実施する主目的は、調達コストのリスク要因が顕在化した際にでも、計画予算を守るために事前に「調達コストのリスクを低減さ……
調達コストのリスクの取り方 目的に沿ったリスク選ぶ 「原材料価格の上昇により調達コストが予算を超えて困っている…」。世界的な原材料・資材価格の上昇を受けて、このような相談が後を絶たない。話をよく聞くと、顧客自身で打てる対策はやり尽くしているにもか……
「安く買う」ことへの注意 経営上の「意義」を明確に 【何に対して】 原価低減は調達部門の責務中の責務であり、中でも調達単価の低減、いわゆる「安く買う」ことは全ての調達担当者にとって至上命令だろう。一方で安く買うといった場合、「何に対して安く買う……