テレビ東京「モーニングサテライト」新村が出演しました。
- メディア出演
モーサテでの解説終了しました。
早起きしてご視聴頂いた皆様、佐々木さん、林さん、伊藤さん、テレビ東京のスタッフの皆様、ありがとうございました。
一時は上昇リスクが強く意識された原油価格ですが、調整圧力を強めています。原油価格下落の要因は、1.需要増加ペースの鈍化、2.供給懸念の後退、3.ECB他の中央銀行の金融政策の景気浮揚効果が乏しいと判断されたこと、4.金融政策・景況感格差を反映したドル高進行、が主なところです。
原油価格は底堅い推移になる、と考えていましたが想定以上に欧州と中国の景気悪化のペースが速かったことが影響していると見ています。
欧州経済は今年、想定外の大きな向かい風に直面しています。ウクライナ問題を巡るロシアとの関係悪化、中東情勢不安を受けた原油価格の上昇、民族自決の問題がユーロを揺るがしたこと、まだ影響が顕在化していませんがエボラ出血熱の広がりを受けた域内経済の停滞、更には最大貿易相手国である中国の景気が失速していること、が背景です。中国も不動産バブル潰しを強硬に進めているため、景気への悪影響が出てしまっています。
こんな中、リビアで原油生産が増加(ほぼ内戦状態にあるのですが...)、イスラム国の攻撃が油田を対象としたものになっていないこと、といった供給面の制約が後退していることも輪をかけました。
こうなるとOPECが供給に直接手を出してくる可能性が高まります。尚、消費国の我々からすればOPECの減産は価格操作で容認できない、という話になりがちですが価格が安定していることが生産者・消費者ともにプラスだと考えますので、長期的な観点からは容認してあげてほしいところです(急速な円安・円高は望まない、というのと同じ理屈ですね)。あまり急速に価格が下がると、不採算の油田からの生産が急速に減少すること、新エネルギーの開発が進まない、といったデメリットが生じるためです。
いずれにしても11月末のOPEC総会で50万バレル程度の減産が行われると見られています。問題はサウジアラビアが減産を行うかどうか、でしょう。