用語解説-その3「オン・ワラント/オフ・ワラント」「エネルギーの数量単位」
- ビジネスへのヒント
- MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(週末版)
【ビジネスへのヒント】第385号
「オン・ワラント/オフ・ワラント」
特にLMEで使われる用語ですが、LMEが指定する倉庫から払い出すことを宣言した在庫のことをオフ・ワラント(キャンセル・ワラント)と呼びます。逆に払出の予定が無い在庫のことをオン・ワラントと呼びます。オフ・ワラントが増加するとその倉庫から近々在庫の数量が増加していることを意味します。別の言葉を使うと、現物をLME倉庫から払い出して受取りたい、という現物の需要が増加した時にオフ・ワラントの数量が増加すると考えられています。ですが、払い出された後の使い道は、本当に何らかの製品製造に用いられるのか、工場の倉庫にしまわれるだけなのか、あるいは投資家が投資行動の一環として現物を倉庫に保管するのかは不明です。近年、LMEが定める「ミニマム・ロードアウト・レート(最低払出数量)」の効果と相俟って、オフ・ワラント率(オフ・ワラントの数量を、LMEのオン・ワラントとオフ・ワラントの合計値で割ったもの。LME在庫のうちの何パーセントが払い出される予定であるかを把握するための指標)がかつてないほど高い水準になってしまっているため、市場参加者の注目を浴びるようになりました。尚、ミニマム・ロードアウト・レートは、LME指定倉庫保有業者が1日に払出しなければならない現物の払出最低義務量、とでも言い換えられましょうか(何トン払出を行うかは倉庫業者が決定出来る)。最低払出数量は倉庫に保管されているメタルの総量で決定され、保管数量が多いほど1日の最低払出数量は大きくなります。尚、最低払出数量は、その倉庫に対して設定され、メタル毎に設定されていません。例えばとある倉庫の1日の最低払出数量が1,500トンだとした場合、アルミと亜鉛を扱っているとアルミも亜鉛も合わせて1日1,500トンまで、と計算されます。
「エネルギーの数量単位」
エネルギーの数量単位は、各国様々です。ですが、DOE(米エネルギー省)やIEA(国際エネルギー機関)、OPECなどが用いている数量単位は、原油だと殆どの場合が「バレル」でカウントされます。1,000バレルのことを1KB (Kiro Barrels)、100万バレルのことを1MB(Million Barrels)と表記します。ちなみに1日当たりの数量(例えば生産量)を示す場合には、KBD(Kiro Barrels perDay)、MBD(Million Barrels per Day)が用いられることが多いようです。