用語解説-その2「ボラティリティ」「ツイスト・オペ」
- MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(週末版)
- ビジネスへのヒント
【ビジネスへのヒント】第384号
市場動向レポートには、様々な専門用語が使われています。今日のビジネスへのヒントでは、知っている方からすれば当たり前かもしれませんが、先週に続き用語解説です。
「ボラティリティ」
価格の変動性のことを指します。この数値が高いと価格の変動性が高く、低いと変動性が低いことを意味します。ボラティリティが分かると統計的に将来取り得る価格の範囲を推定することができます。必ずしも相場の変動はこの統計手法による分析に従う訳ではありませんが、「どれぐらい価格が変動する可能性があるのか」を把握するための手掛かりとなります。具体例で説明してみましょう。例えばボラティリティが30%であるとした場合、現在価格が100ドルの物は、1年後に約70%の確率で、70ドルから130ドルの範囲に収まることを意味します。もしボラティリティが10%であれば、この取り得る価格の範囲は90ドルから110ドルとなります。ちなみに原油価格のボラティリティを35%、原油価格を100ドルとすると、1年後に70%の確率で原油価格が収まるであろう範囲は、65ドルから135ドル、ということになります。またボラティリティには過去のデータを用いて計算の結果求められる、「ヒストリカル・ボラティティ」と、実際に市場で取引されている、「インプライド・ボラティティ」の2種類が存在します。
「ツイスト・オペ」
中央銀行が短期証券の売り操作・中長期証券の買い操作(ないしはこれの逆)を行うことで、保有する債券の年限を変更することで金利の期間構造に影響を与える市場操作のことを指します。前回FRBが行ったツイスト・オペは長期の債券を購入し、短期の債券を売却する取引でした。この結果、長期の債券価格は上昇(金利は低下)、短期の債券価格は下落(金利は上昇)することになりました。長期金利が低下することで、住宅市場や企業の設備投資を支援することが狙いです。不胎化QE3という用語も時々耳にすると思いますが、これは効果としてはツイスト・オペと似た効果をもたらします。長期国債購入で発生した余剰資金を、短期国債を売却して吸収し過剰流動性が市場にあふれることを回避するものです。これによりツイスト・オペと同様に短期金利が上昇し、長期金利が下落する効果を創出します。