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長期休みの間の市場
  • ビジネスへのヒント
  • MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(週末版)

【ビジネスへのヒント】第374号

今年のお盆も相場は大荒れになりましたね。不思議なもので、5月のゴールデンウィークやお正月(新年3が日まで休みなのは日本だけで、その他の国は通常1月2日から業務開始となる)など、日本市場参加者及び市場に関わる仕事をしている人が休みの時に、相場が大きく動くことは頻繁にあります。市場参加者の規模を考えると、日本人が市場に不参加であることが市場の変動性を大きくしている原因ではありません。これはたまたまそうなっているだけなのですが、ここから得られる教訓は、「長期に渡る休みの期間に、市場が大きく動くことが多い」ということと「それに対していかに備えておくか」ということでしょうか。備える、ということはすなわち、想定していなかったことが起きた時に、どの程度のリスクが顕在化するか?を事前に把握しておくことです。

仮に、現状を把握した結果、市場性の商品を全く仕入れていない(例えばゲームソフトの制作会社など。しかしこの場合でも電気や営業用の車の燃料代などは影響を受けます)企業であればまだよいですが、アルミニウムや銅などを購入している企業の場合にはそうはいきません。どれぐらいの市場性商品を購入し、どの程度その価格が変動する(上下に振れる)リスクがあるかを計測しておきます。そのうえで、休み前に調達(販売)契約を終える、あるいは休みの期間中にお盆休みがない金融機関に対して為替予約や購入している商品デリバティブのリーブオーダーを置いておく、といった対応を取ることができます。特に、休みの間の相場変動時に値決めをしてもらえるリーブオーダーは長期休暇の場合には有効です。

しかしこれらの対策は事前の準備があって初めてできることですので、今後に備える意味でも今から準備を始めてみてはいかがでしょうか。