デリバティブ取引の仕組み-その2
- ビジネスへのヒント
- MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(週末版)
【ビジネスへのヒント】第359号
前回のビジネスのヒントでは、広く忘れられていたデリバティブの仕組みと効果について説明をしました。実際に現物を売買しているサプライヤーとバイヤーではなく、第三者を介して「値決めを行う」商品です。現物の売買を伴わないため、オプション取引を組み合わせることでレバレッジを効かせることができるため、誤った使い方(期待した効果が得られない)になってしまうことがよくあることがリスクです。
では、この商品はどこのだれとどうやって行えばよいのでしょうか?いくつかの手段があります。一番一般的なのは金融機関に相談することです。ですが、商品取引のライセンスを有している銀行・証券会社に問い合わせる必要があり、その数は限られます。次に商社に相談することですが、大口の取引であれば問題ありませんが小口の場合には、やはり商社もライセンスが必要になりますので、ごく一部の商社のみ対応が可能です。
仮に銀行・商社が設定している最低取引量を満たさない場合にはどうすればいいでしょうか?この場合には証拠金を収めて、先物取引所か、あるいは商品CDFなどの疑似的に商品価格のヘッジが可能な商品を売買する方法が考えられます。日本はほとんどの商品を海外から輸入していますので、やはり海外先物市場で取引することが望ましいといえます。
ですが、証拠金の入金(海外送金)や取引時間、規模などを考えるとすべての企業がこれに対応できるわけではありません。そのため、購入している商品の価格動向と一致する保証はありませんが、疑似的に東京商品取引所で取り扱われている商品を売買する方法も考えられます。もしさらに規模が小さく、先物取引所で取引するのにそぐわない場合には、FX業者が取り扱っている商品CFD(先物の直近限月価格などを参照する取引)や、商品先物ETFなどを用いる方法も考えられます。いずれの場合でも、100%自社の購入している価格ときっちり連動している商品でない限り、どれだけ連動しているのか、連動しなくなったらどうするのか、といったことを十分に考慮した上で取り組む必要があります。