リスクを地図と歴史で把握する
- ビジネスへのヒント
- MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(週末版)
【ビジネスへのヒント】第360号
金融の自由化や、SNSを中心とする情報の拡散速度が増したこともあり、世界のどこかで発生しているリスクが今までよりも早い速度で拡散するようになりました。しかし、そうしたリスクの中でも地政学的なリスクは文字通り、その国が地理的に位置する場所に依拠するリスクであるため、そのリスクを文字や文章で理解・把握することだけでは十分ではありません。ですので、テレビや新聞でこうした地政学系のリスクが報道された場合は、「まず地図を広げること」を心がけるようにしてください。
例えば、我々日本人からすれば、韓国や北朝鮮の問題が、日本に大きな影響を与えることはこの分野の専門家でなくても理解することが出来るでしょう。それと同様に、イランとトルコの関係について、いくら文章を読んでいたとしても理解することは困難です。ですが、両国がお互いの国の北と南で接しており、その国境周辺にクルド人が多数、居住していることを地図上でビジュアルに理解することが出来ると、その問題の重要性を始めて深く理解することができます。インドやパキスタンの問題も両国が中国と隣接するカシミール地方の領有をめぐって混乱していますが、これも地図を見れば一目瞭然です。
そしてこれらの地政学を語る上では、現在に至るまでの歴史を把握しておく事が重要になります。
特にアフリカや中東、アジアにかけてはかつて欧州が植民地として支配していましたので、欧州の歴史を把握しておくことが必要になります。