急がば回れ
- ビジネスへのヒント
- MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(週末版)
【ビジネスへのヒント】第361号
価格リスクマネジメントを考えた時に、その実施を躊躇してしまう会社や部署は結構多くあります。実施しない理由は企業や部署によってさまざまですが、価格リスクマネジメントの対象となる商品数が多くどのように対応すればよいか分からない、というケースは少なくありません。ですが、異なる商品すべてに対して1つの方法や試作で100%満足できる結果が出ることは非常にまれです。ではこの場合はどうすれば良いでしょうか。
調達している商品の中でボリュームが大きい商品や、市場価格の影響が大きい商品を選択し、その商品をモデルケースとして価格リスク制御の形をまず1つ作ってみることをお勧めします。大手企業になればなるほど調達している商品が100や200、場合によると数千に及ぶこともあるため躊躇してしまいますが、全てを一度に解決する必要はありません。1つモデルケースができると「このように取り組めば良いのか」という方向性が見えてきます。後は同様の手法を応用できそうな商品数を少しずつ増やしていき、最終的にすべてが管理できる状態にできれば良いのです。結果、すべての問題を一度で解決できる方法を考えるよりもかかる時間は少なくて済む可能性があります。
どうしても分かりやすいスキームで、即時に効果が出るものを望みがちですが、小さなことからコツコツと、急がば回れ、ということだと思います。