【(再)飛行機に乗るとツイてない-その3】
- 新村ブログ《油売りのひとりごと》
地図、いや路線図を見ていたのだが
関西空港から電車ないしはバスで神戸まで行くと1時間程度はかかる
しかし、私は見つけてしまった。
関西空港から神戸港に伸びるブルーの点線を
はッ!!これはッ!?
よくよく見てみると「水上高速船」と書いてある。
しかも。しかもですよ。
「所要時間15分」
と書いてあった。
このとき生まれて初めて神様って、いるんだなと思った。
9:40に到着、9:45の水上船に乗れば上手くすれば
10時に神戸港に到着。
港から15分ぐらいのところなので、
一番初めのアポキャンセルは何とか免れそうだ。
と、半分安心、半分緊張のまま
まんじりともせず1時間近くを過ごした。
関西空港に到着。
理由は無いが、とにかく走らなければならない気がした。
こんなとき、手荷物を預けないでよかったと心から思う。
ダッシュで飛行機を飛び降り、全力で高速船出口のほうに。
普段は方向音痴の私であるが
運良く看板が出ていた為、間違えずに済んだ。
あのときのダッシュは、当時の世界一のベン・ジョンソンよりも
はるかに早かった自信がある。
走りながら「水上船の時刻表」がはるかかなたに見える。
よくよく目を凝らすと「1時間に1本」
しか出ていない。
すなわち、
「9:45の高速船を逃すと、自動的に次は10:45になり
1つ目のアポは完全にだめになってしまう」
わけだ。
足が千切れ、心臓が破裂しそうであったが
そんなことは言っていられない。
全力疾走。
恐らく生まれてからもっともダッシュした瞬間だったと思う。
怪獣映画を見ていて、怪獣が出てきて逃げ惑う人々の中に
「転ぶ人」
がいるが、たいてい見ている側は「こんなときに転ぶかよ」と
思ったりするが、ころびます。はい。
実際に転んだ。
激痛が走る。
遠く朝もやにかすむ高速船。
無事に乗り込む事が出来るのだろうか...
(続く)