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【新・タイの楽しいご旅行は-その3】
  • 新村ブログ《油売りのひとりごと》

気が付くとどんどん山の上に登っていく
なぜにプールなのに山の上???
そこにそのウォーターパークはあった
しかし、人影がない。

いや、よく見るとタイ人っぽい
肌の浅黒い人達が建物から顔を出している
そうか、本当に客がいないから
建物の中で休んでいるのか。

まあ、いいや。
お金を払ってテーマパークの中に
あら、しばらくしたら音楽が流れてきたよ
本当に営業を「やる気がなかった」んだな
と、思いながらチケット売り場と
プールを結ぶ橋の上に登り、プールの全容が明らかになった。

「うっ...」

プールは稼働しておらず
プールの水、というよりはくぼみに雨水が溜まっているだけにしか見えない
そしてプールに溜まっている水はどんよりと濁り
生臭いにおいがする
そう、ウチのドジョウの水槽(注:今はタニシの水槽です)と
同じ匂いがするのだ。

「池の水、全部抜いてみた」

で出てきそうな色の水である。
ウチの会社の近くにある
皇居の外堀の水をイメージすると分かりやすい。

「これに入るのか...」

と悩んでいると、そのお濠の水が循環を始めた。
といっても、別に水を浄化する装置が
ついているわけではないので
流れるプールではなく、「流れるお堀」だ
会社の近くにあるあのお堀の水がゆっくりどんより流れていて
そこに飛び込んで泳げ
って言われたら絶対嫌だ。

でも、慎重にプールを点検すると
ウォータースライダーだけは水の循環量が多いので
(といっても客がいる時だけしか動かしていないが)
比較的きれいである。

どうしよう。帰ってもいいんだけど。
娘は大量のトンボやカゲロウが死んで浮かんでいる水を見て

「もう帰りたい」

と言っている。
しかし、スタッフのタイ人は次々と私のところにやってきて

「サワディカー」
「コップンカー」

と、挨拶してくる。タイ語は詳しくないが

「こんにちは!」
「ありがとう!」

と言っているようだ。
よっぽど普段からお客が来ないので
私たちを「帰すまい」としているのかもしれない。
これは人として、どれか1つは滑らないと
帰るわけには行かなさそうだ。

仕方なく、意を決して「一番高いところから滑り落ちる」
ウォータースライダーを1回やって
それで帰ることにしよう。
(続く)