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株続落で下落も米CPIを受けて下げ渋る
  • MRA商品市場レポート

2026年2月16日 第3165号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「株続落で下落も米CPIを受けて下げ渋る」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、貴金属やその他農産品、エネルギーが上昇したが工業金属などは下落した。

昨日発表された米CPIが市場予想を下回り、インフレが沈静化方向にあることはリスク資産価格の下支え要因となったが、AI伸張に伴う産業破壊へのリスクを「材料にした」利益確定の動きが株式市場でみられていることが、総じてリスク資産価格を押し下げた。

米CPIは総合指数が前月比+0.2%(市場予想+0.3%、前月+0.3%)、前年比+2.4%(+2.5%、+2.7%)、コア指数も前月比+0.3%(+0.3%、+0.2%)、前年比+2.5%(+2.5%、+2.6%)とともに減速基調にある。

ただし、劇的に物価が低下しているというよりも、そもそもFRBが想定している緩やかな物価低下の範囲内であり、FRBの政策が急に変化するとは考え難い。今年の夏、年末には金融正常化の観点で利下げを行う、というのが市場コンセンサスであり、統計はこれに沿った内容だったといえる。

一方、雇用市場は比較的タイトな状態が続き、月初に発表された米ISM製造業指数は景気回復ステージに見られる、受注増・生産増・雇用増が確認されているため、米景気がそれほど悪い状態ではない。

結果、トランプ大統領が主張するような即時の大幅な利下げ、世界で一番低い金利が必要な状態にあるとは言い難い。

金融政策動向を受けた長期金利の動向は、将来収益見通しを現在価値に割り引く時の影響が大きくなるため、特に将来収益見通しが嵩増しされやすいグロース系の株に与える影響は大きい。金利低下は割引率を抑制するため、株価の押し上げ要因となる。

しかしそれでも株価が弱いのはAIバブルの崩壊というよりも、AIがこのまま成長した場合の既存産業への影響が意識されているためと考えられる(というよりは、それを割高にあるAI関連セクターの利益確定の材料にしている、という方が適切だろうか)。

特にコロナショックを受けた過剰流動性供給局面では、株価と商品価格の連動性は高まっているため、株の下落は無視できない。

昨日の「本日の見通し」でコメントしたが、AI伸張によって影響を受ける業種は概ね以下の産業が想定される。現在最も影響を受けると市場でみられているのがソフトウェア業のようだ。

●テック・ソフトウェア業
・AIの恩恵を最も受けつつも、最も痛みを伴う変化が起きている業種
(企業例)Salesforce:カスタタマーサポート部門のスタッフを半減
 Amazon:コーポレート部門で数万人の人員削減を継続。AIがルーティンワークを代替

●金融・証券
・Goldman Sachs:AIによる生産性向上を理由に投資銀行の若手の採用削減や解雇。財務モデルのデューデリジェンスの初動が数分で終わるようになったため。

●法務・士業
・過去の文書を読み解く専門職・ジュニアの業務がAIに浸食
(企業例)大手法律事務所など

●メディア・教育コンテンツ
・情報を分かりやすく「まとめる」「書く」はAIが最も得意とする所(ゼロイチは難しいが、複数の1をルールに従ってまとめるのは得意)

昨日も商品価格に下押し圧力が掛かり、貴金属価格も下落してもおかしくなかったが上昇している。週央の貴金属価格の急落はロシア関連の報道によるものとの意見も多いが、リスクシナリオの1つという位置づけであり、この下落を受けてまだ強気の見通しを維持している投機筋が貴金属セクタ-に買いをいれたと考えられる。

一昨日のニュースとは、BBGがクレムリン内部文書(2026年案)の中に、停戦を前提としたロシアのドル経済圏への復帰プランが具体的に記されていたとされるニュースである。


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