ウォーシュショック一巡で買い戻し
- MRA商品市場レポート
2026年2月4日 第3157号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「ウォーシュショック一巡で買い戻し」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はその他農産品や畜産品、発電燃料が売られたがその他の商品は軒並み買い戻しが入る展開となった。ウォーシュ氏指名関連報道や米ISM非製造業指数の大幅な改善を受けたドル高進行が一巡、特段新規材料は無かったがドル安が進行したことで、広く売られすぎた金属・エネルギーに買いが入る形となった。
発電燃料はまだ投機の対象となり難く、北半球の気温が月半ばから下旬に掛けて上昇するとの見通しが価格を下押しする形となった。投機的な動きの影響はその他の商品に比して低いが、需給ファンダメンタルズを増幅させる効果があり、最近の不安定な気温状況に価格が左右されやすい。
一方、先週末から大幅に下落した貴金属セクターは、値ごろ感からの買いで反発している。連日の報道では、現物資産を求めて店舗に列を成す個人の姿も散見され、自国通貨や企業業績の先行きに不安を抱く国民が手元で保管可能な資産としての現物需要を維持している証左と言える。
しかし、この数日のジェットコースター相場はより深刻な構造変化を示唆している。このコラムでもたびたび指摘しているが過剰流動性の供給でバブル崩壊をバブルで吸収する手法が限界に近づいている可能性がある、ということだ。
振り返れば、ドットコムバブル崩壊後は中国の台頭による「コモディティバブル」が発生し、ドットコムバブルの崩壊を吸収した。それが崩壊すると過度な量的緩和を背景に、あらゆる資産がバブル化する世界的な金融相場が発生、この過程でユニコーン企業や暗号資産のバブルも醸成された。
その後は「脱炭素バブル」が席巻したが、ウクライナ侵攻以降のエネルギー危機により、欧州などで従来の理想的なスケジュール維持が困難となった。そこへ急成長したAIおよびデータセンタービジネスが莫大なエネルギーを消費し始めたことで、なし崩し的に脱炭素バブルは崩壊し、投資対象はAIへとシフトしている。
そして現在、AIの普及に伴う「知能」の実装先としてロボット技術が急速に成長し、新たに「ロボットバブル」が形成されつつある。そしてその先には既に料理コンピューターや新エネルギーなど、将来の「バブル対象」が既に控えている状況。
また、時計の針を40年前に戻すような「東西再分裂」の動きも、新規の軍事・産業インフラ投資を伴うという意味では、一種のバブル的側面を持っていると言える。
結局、こうした構造の変化は実物の設備投資が必要になるため(暗号資産も半導体やエネルギーを必要とする)実物資産の確保は不可欠な生存戦略となる。再びコモディティバブルが到来する可能性は高いと考える。
ただし、巷で喧伝される「スーパーサイクル」という表現は適切ではない。サイクルというほど説明が可能な周期性があるわけでは無いからだ。
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