状況変わらず株上昇で上昇トレンド継続
- MRA商品市場レポート
2026年1月29日 第3153号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「状況変わらず株上昇で上昇トレンド継続」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は非鉄金属の一部と発電燃料、その他農産品が調整したがその他の商品は軒並み水準を切り上げた。株が上昇したことや為替市場でドル指数の下落に歯止めが掛かり、やや市場が落ち着きを取り戻した所で、これまでのトレンドに沿って物色されてきた商品に見直し買いが入る形となったため。
また事前予想通りだがFOMCでサプライズがなかったことも、市場参加者のリスク資産物色を後押しした。
とはいえ、最近の商品市場の傾向として「先が見えない」「正直よく分からない」ことからトレンドフォローとなる傾向が強まっている。そもそもボルカー・ルールが適用されるようになってから、投資銀行が商品市場から退場、まだ自己ポジションでの取引は続いているが、前の様にほぼゼロコストの資金を中央銀行から調達し、超長期のポジションを保有するということがなくなった(既に金利水準は高い)。
また商品に投資しているファンドも、体力的に超長期のポジションを長期にわたって保有し難くなっている。この結果、取引は期近に集中し、更にこの20年で加速した高速売買技術の改善を受けてトレンドフォローの傾向が強まっている。
昨日の「本日の見通し」の所でも解説したが、商品市場において投機資金は価格の絶対水準を決定する要素というよりも、価格の方向性を加速させる存在に変貌している。昔から価格の方向性を加速させる役割を果たしてきたことは変わらないが、コロナショック後の過度な量的緩和の影響による、余剰資金が商品市場に流入、その動きが加速しているといえる。
なお、「資金が流入すると価格が上がる」という説明をよく目にするが、基本、投機資金が商品市場に流入する場合は、1.証拠金として流入する、2.実際に現物を確保する、の2種類が有り得るが、いずれの場合も投機筋は原則、「売るべき現物を保有しない主体」であるため、スクイーズを恐れることから買いから入りやすい。
そのため、投機資金の流入は価格の上昇につながりやすい。しかしこれは商品によって異なる。例えば今、価格が高騰している米天然ガスは実需筋の買いに投機筋が売り向かう形で相場が形成されているため、投機資金の流入は別に価格の上昇要因とならない。
逆に気温低下に伴い、現物を保有していないためショートスクイーズを受けた、と考えられる。恐らく昨日の急騰はその影響だろう。銀価格が急騰している背景には、貴金属市場に売りの流動性を供給して来たブリオン・バンクがスクイーズされている(+バーゼル規制k強化の影響)ことによる。
もちろん、鉱山投資や現物のフローを投機的なスタンスで取り扱っている企業もあるが、一般に「トレーディング会社」という分類とされている。
ただ、金融商品の形に仕立てて不特定多数に売買するというよりも、現物供給が前提で価格の差(品質・ロケーション・時間などの差)で儲けるビジネスという色彩が強い。日本の商社も大きな括りではこちらに分類される。
話を元に戻すと、2.に関しては、エネルギーは投機筋が現物を保有することはBPのディープホライズン事件以降、特に規制されているため、エネルギー市場で現物確保の動きは起きにくい。
これに対して金属現物は保管のリスクが小さい(地震や浸水などで品質が劣化して受渡適格品ではなくなることはある)ことから、保有がしやすく、現物の裏付けがあるETFの形でそれこそ「誰でも現物を疑似的に保有出来る商品」になってしまった。
投機取引は流動性を供給するため否定されるものではないが、ここまで見てきたように「トレンドが加速しやすい傾向」が強まっていることから、特に金属セクターにおける価格上昇基調はしばらく続くと予想される。
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