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ドル安・株高で上昇
  • MRA商品市場レポート

2026年1月27日 第3151号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「ドル安・株高で上昇」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はエネルギーや貴金属の一角が下落したがその他は総じて堅調な推移となった。米長期金利が小幅に低下したことを受けて、バリュエーション上メリットが出るグロース株がハイテク株を中心に上昇したことでリスク選好が回復したこと、NY連銀のレートチェック報道を受けた、日米同時介入ヘの警戒感からドルが売られたことが材料となった。

今回の日米協調介入ヘの警戒感は、ドルを押し下げている。トランプ大統領はFRBミラン理事が策定したとされるマール・アラーゴ合意(実際に合意した訳ではない)に象徴されるように、ドル安を誘発することで国内製造業にプラスになる環境を作ることを志向している。

しかし、日本が円安に苦しんで米国に介入を依頼したとみられているように、ドル安が進行した場合の米国のデメリットは多い。ドル安進行の米国のメリット・デメリットを整理すると以下の通りとなる。

●メリット
・輸出企業の競争力改善(自動車・機械・農業など)
→これらの産業は中間選挙・大統領選挙時の「激戦州」に集中しているため、ここでの評価が上がることは選挙に有利に。
・海外に展開する米国企業の収益がドルに換算した時に増加する(と言ってもドル建ての取引が主体のところが多いと考えられるが)
・貿易赤字の是正(輸出増加と輸入減少で)

●デメリット
・ドル安進行で輸入物価が上昇
→より広く、生活者に影響が及ぶ
・意図的なドル安進行でドルの基軸通貨としての価値が低下

メリットの部分は実はそれほど大きいとは思えない。既にトランプ大統領になってから▲11%もドルの価値は下落しているからだ。更なる下落はデメリットの面が強く出ると思われる。

それにもかかわらず今回、介入に協力したのはグリーンランドなどの問題でデンマーク年金基金が米国債を売却、金に振り替えるという方針を示したこと、一部の欧州銀行のアナリストが欧州諸国が米国債を売却してその他の資産に振り替える(金を想定)といった見通しを示すなど、米国債離れが強まっていることに、米国のサイフを預かるベッセント財務長官が危機感を覚えたためと考えられる。

現在の日本の円安は人口が減少してそもそも国力の低下の可能性が意識されている中、安倍・黒田時代からの過度な金融緩和・放漫財政による構造的な円安である色彩が強い。

そのため、単独介入でドルを売って円を買うオペレーションをする場合、介入原資である外貨準備で保有する米国債をかなり大量に売却しなければならなくなる。ベッセント財務長官は恐らくそれを懸念したのだろう。

ドル売りをする場合の原資は、米国であれば理論上無制限に供給が可能だ。


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