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ドル安・株高で上昇 日米協調介入を警戒したドル安進行
  • MRA商品市場レポート

2026年1月26日 第3150号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「ドル安・株高で上昇 日米協調介入を警戒したドル安進行」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は軒並み上昇した。この数日発表されている経済統計がさほど悪いものではなく、昨日の各国PMIが比較的良好だったこと、それに伴い金融政策に大きな変更がないとの見方が再び株式市場で過度な楽観を誘発したことが価格を押し上げる一方、日米が協調してレートチェックを行った可能性があり、それを受けてドルが下落したことがドル建て資産価格を押し上げる結果となった。

なお、同時に米国の空母打撃陣が中東に展開、イランに対する攻撃が行われる可能性が意識されていることが原油価格を押し上げ、さらには中東情勢不安が石油・ガスの流通、場合によると生産に影響を及ぼすとの見方がエネルギー全体を押し上げ、さらにはリスクシナリオの位置づけだった気温低下が北半球で広範に発生していることが、発電・暖房燃料価格を押し上げている。

昨日の市場で注目されたのは、日米両当局が協調して為替介入を強く示唆する動きを見せたことだろう。本来、米国は為替市場への直接的な介入には慎重な立場をとることが多いため、今回は日本側からの積極的な働きかけがあったと推察される。

背景には、高市政権が衆議院解散にあたって打ち出した「積極財政への転換」という方針に対し、市場が過敏に反応し、円安・株安・債券安(金利高)のトリプル安が進行したことが挙げられる。

選挙を控える中、これ以上の円安による輸入インフレの加速を抑制したいという政権側の強い危機感が、今回の迅速な対応につながったと考えられる。

一方、米国側もこれに応じる素地があった。トランプ大統領はかねてより「行き過ぎたドル高は米国の製造業を弱体化させる」との持論を展開しており、ドル高を是正する機会を伺っていた。

しかし、自らドル安を主導すれば米国内のインフレ懸念を煽るリスクがあるが、「同盟国である日本からの要請に応じる」という大義名分の元での介入ならば、介入を容認(あるいは協力)したという説明が出来ないことはない。恐らくその判断はあったと考えられる。

こうした当局間の機微なやり取りが公表されることはほとんどないが、昨日の「特段の材料がない中でのドル安・円高」への急激な振れは、実需以外の力が働いたことを強く示唆している。実際、ニューヨーク連銀によるレートチェックのニュースも、その信憑性を裏付けている(尤も、トランプ大統領自ら「日本に依頼されたんだ」と口を滑らす可能性はあるのだが...)。

過去を振り返れば、日米が歩調を合わせた協調介入は極めて稀であり、注目すべきは、実施された際には相場のトレンドを決定づける大きな転換点となってきたことである。

その代表例が1985年の「プラザ合意」だろう。当時は、レーガン政権下でのインフレ抑制を目的とした高金利政策によりドル高が進行、米国の輸出競争力が低下し、製造業が深刻な苦境に陥っていた。

一方、巨額の貿易黒字を抱えていた日本やドイツも、このままでは米国による個別関税などの保護主義的な制裁を招きかねないと危惧、各国がドル高修正という目的で一致した。

当時の交渉相手は、米国側がベーカー財務長官、日本側が竹下登大蔵大臣(後の首相)。このG5による合意の結果、1ドル240円台だった円相場は、わずか1年ほどで150円台まで猛烈な勢いで円高が加速した。

ただし、これが後に日本の購買力を高め、バブル経済へと繋がっていく一因となったのだが...。


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