CONTENTSコンテンツ

トランプ発言を受けた金利高・ドル高・株安で下落
  • MRA商品市場レポート

2026年1月19日 第3145号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「トランプ発言を受けた金利高・ドル高・株安で下落」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品価格はエネルギーセクターとその他農産品、穀物、畜産セクターが上昇したが、これまで上昇を牽引して来た金属セクターが幅広く売られた。

トランプ大統領が次期FRB議長候補であるハセット氏に対し「今の職務を続けて欲しい」と発言したことで緩和観測が後退、次点と言われているウォーシュ氏は基本的にタカ派であるため、現在の金融政策が維持されるとの見方が強まったことが、金利高・ドル高・株安に繋がった。

年初からトランプ政権の不規則な内政・外交・軍事政策遂行によって世界的に安全資産・実物資産ヘの需要が増していたが、ハセット氏ではなくウォーシュ氏の場合、ある意味常識的な政策が遂行されるのでは、との期待が高まる。

その政策が遂行されると、金利安・ドル安・株高を逆転させる。しかし、金利が上昇すれば個人は住宅ローンやカードローンを利用し難くなるため行き過ぎたタカ派政策は景気にマイナスとなる可能性があり、株安は富裕層の消費を減じるためやはり景気にはマイナスになる可能性がある。

しかし、現在の米景気は「緩やかに減速ないしは横這い」でありインフレ率も緩やかに低下しているが高止まりであるため、現在の金融政策を大きく変更する必要は無いというのが一般的な理解だろう。

トランプ流で自分の思う速度で政策を急変させた場合のリスクを、「ひょっとすると」トランプ大統領も意識し始めたのかもしれない。

いずれにしても現在のトランプ大統領の支持率は低く、不支持率の上昇が顕著だ。通常、この類いの世論調査は左寄りになりやすく、右寄りの政権の支持率は低くなりがちだ。しかしそれを差し引いたとしてもトランプ政権の支持率は低い。

背景には以下のような要因が挙げられる。

1.関税による物価高

輸入物価が上昇。統計は「前年比上昇率」を見ているが、個人が気にしているのは現時点の物価の絶対水準であるため。

関税が課される前のバイデン政権ではコロナショック後の過剰流動性供給で、インフレが加速しているため同じ問題を解決できていない。

2.内政・外交の急進的な変化

ベネズエラやイランヘの攻撃、移民の強制排除や殺害、メディケイドやオバマケアの削減がワーキングクラスの家庭に実害を及ぼしており、健康保険の不安が高まっている

3.支持基盤の浸食

トランプ政権の勝利を支えた無党派層と穏健な共和党員が急進的な政策を受けて政権に愛想を尽かしていること

逆に言えばこれらが解消すれば支持率は上がるだろうが、現在のトランプ政権の政策はこれを解消するような政策ではないため、なかなか難しいのではないか。ただし、実質賃金は上昇圧力が掛かっているため、1.がやや緩和する可能性はある。

では民主党に戻ったから良いかと言えば、かなりイデオロギー的な政策を協力に進め、インフレは加速、賃金格差も拡大したことを考えるといずれの二大政党も「帯に短したすきに長し」といえる。結果、ボラティリティは高くなり、リスク資産の保有・購入・販売時の価格リスクは増すことが懸念される。

ただ、日本でも米国と似たような事が起き始めている。結局、どの国も「インフレは政権のリスクになる」ということだろう。


本日の見通し、昨日のセクター別動向と本日の見通し、マクロ見通しのリスクシナリオ、本日のMRA's Eye、主要ニュース/エネルギー・メタル関連ニュース/主要商品騰落率/主要指数/市場の詳細データPDFは、有料版「MRA商品市場レポート」にてご確認いただけます。
【MRA商品市場レポート】について