ドル高進行で利益確定売りの動きで下落
- MRA商品市場レポート
2026年1月16日 第3144号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「ドル高進行で利益確定売りの動きで下落」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品価格は液体系エネルギーセクターと金属セクターが売られたが、発電系燃料や自国通貨建て商品が上昇、全体の流れとすると「行き過ぎた価格上昇の調整」がドル高を材料に発生、自国通貨建てベースでは価格が下落したので買いが入った、という整理になろうか。
地政学的リスクを材料に上昇していた原油だが、米国が攻撃を見送る可能性が意識された事が価格を下押しした。しかし、イランの体制崩壊を目論む米・イスラエルの意向を考えると、まだ攻撃のリスクがなくなった訳ではない。
特にトランプ政権になってネオコン派の意見も通りやすくなっており、中国排除のための現状変更に武力を用いることを再び躊躇わなくなっている(というよりは、「米国の作った戦後ルールをレバレッジして」進めてきた中国の米国包囲網を突破するには、自らが作ったルールを変更しなければならない、と判断している可能性。このあたりの米中覇権争いの考察は、近日中にMRA's Eyeで公開の予定です)。
昨日発表された米国の経済統計は良好なものが多く、トランプ大統領やその信任が厚いFRBミラン理事が言うように「米国の金利は世界で一番低くなければならない」ほど、利下げが必要な状況にあるとは思えない。
先行きの指標ではニューヨーク連銀製造業指数は7.7(市場予想1.0、前月▲7.7)と予想以上の大幅な改善となり、フィラデルフィア連銀製造業指数も12.6(▲1.4、▲8.8)と大幅な改善となっている。
内訳を見ると、ニューヨーク連銀指数は新規受注が6.6(▲1.9)と回復、フィラデルフィア連銀指数も新規受注が14.4(5.7)と大幅に改善しており、需要が堅調であることをうかがわせる。ただ先行き見通しは33.3(34.5)、32.9(39.1)とやや減速の見込みであるが水準は高く、先行きを懸念するほどではない。
雇用は各々、▲9.0(7.5)、9.7(13.0)と悪化しているが、先行き見通しは14.9(7.8)、28.8(24.7)と改善見通しである。
また、過去の指標ではあるが米週間新規失業保険申請件数は198千件(市場予想215千件、前週207千件)と減少しており、徐々に雇用環境が改善している事を示唆している。
以上を踏まえると、FRBの責務の1つである雇用の維持は恐らく現状政策の維持で問題はなさそうだ。この結果、ドルは指数ベースで上昇している。
米経済は落ち着いているように見えるが、トランプ政権の不規則な政策遂行によって世界的に安全資産・実物資産ヘの需要が増している。なお、足元貴金属セクターの上昇が顕著だが、投機の買いに加え、欧州系銀行の現物調達ないしは先物ポジションの解消圧力が価格を押し上げている可能性が高そうだ(詳しくは本日の有料レポートのMRA's Eyeをご参照下さい)。
一方、昨日は円が対ドルで上昇している。為替の急落を受けて為替市場での介入警戒感が強まっていることが背景と見られるが、解散総選挙で高市自民党が勝利する可能性が高いとして、積極財政、緩和的な金融政策、恐らく高市政権が継続擦る場合の中国の風当たりの強さ(貿易面で悪影響)を考えるとしばらく円安圧力になりやすい。
本日の見通し、昨日のセクター別動向と本日の見通し、マクロ見通しのリスクシナリオ、本日のMRA's Eye、主要ニュース/エネルギー・メタル関連ニュース/主要商品騰落率/主要指数/市場の詳細データPDFは、有料版「MRA商品市場レポート」にてご確認いただけます。
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