米統計悪化を受けた緩和期待で上昇
- MRA商品市場レポート
2025年12月12日 第3122号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米統計悪化を受けた緩和期待で上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品価格は総じて堅調な推移となった。米国時間に発表された米週間新規失業保険申請件数が市場予想を上回る増加となり、米雇用環境の悪化観測を受けてFRBが追加利下げ(3月頃)に走るのではとの「期待」が株式市場で醸成され、株価が上昇したことでリスク選好が強まったことが背景。
金属セクターの上昇がかなり顕著な状況は変わらない。中長期的に脱炭素やインドなどの新興国のみならず、ドイツなどでもインフラ投資が行われる見込みであり、需要面でのテーマ性が強いことから、かなり積極的に投機筋が投資対象にしていると考えられる。
1日の相場変動で同じタイミングでこれだけの数の非鉄金属・貴金属が上昇しているのは需給ファンダメンタルズでは説明が付かない。やはり株価が上昇することに伴う投資余力の改善が価格を押し上げていると考えられる。
先日のFOMCではFRBは400億ドル相当のTビル(米財務省短期証券)を購入するすることを決定した。昨日説明した通り、このTビル購入は納税時期の短期市場の資金枯渇を事前に回避するためのものであり、量的緩和ではない。
しかし、ネット上のコメントを見ると債券市場ではテクニカルな調整、と整理しているが、株式市場参加者は「量的緩和だ」と主張しているものが多く、過剰流動性相場再来で価格が上昇するという整理になっている可能性がある。
そうなると、連動性が高い金属セクターは上昇圧力が掛かることになる。
なお、需給緩和観測で投機が積極的に物色対象にしていないエネルギーは昨日、米週間新規失業保険申請件数の悪化を受けて下落している。少し前は「ドクターカッパー」と言われていたが、むしろ、米国や世界の景況感としては原油価格の方が適切ではないだろうか。