中国統計減速・株価調整で軟調 原油は供給懸念で上昇
- MRA商品市場レポート
2025年11月17日 第3103号(簡易版)商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「中国統計減速・株価調整で軟調 原油は供給懸念で上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品価格はエネルギーセクターが上昇したが、その他のセクター、特に金属セクターは水準を切り下げる動きとなった。
株式市場ではハイテク関連に売りが嵩み、ベア型のヘッジファンドが廃業するなど、年度末を控えてリスク回避的な動きが強まっていたが、昨日はハイテク関連株に買いが入り水準を切り上げる商品が目立った。
しかし、FRBが12月は利下げを見送るとの見方が意識される中で金利が上昇したことを受け、上げ幅を削る展開となり、多くの商品価格がそれに連れる流れとなった。
昨日は金属セクターの下落が大きかった。株の下落が影響してはいるが、金属の最大消費国である中国の重要統計が軒並み減速しており、特に、固定資産投資と住宅投資の減速が加速しており、工業金属需要の減少観測が強まったことが影響している。
2026年も金属セクターが投資のテーマになるかどうかは分からないが、来年以降もAIやDC向けの需要増加や鉱山生産障害などの「材料」も多いため、再度物色対象になる可能性は高い。
しかし、今の水準で更に買いに行けるような状況でもないため、恐らく株と同様11月末、12月末にかけて一旦利益確定の動きが強まるとみるのが妥当だろう。上がる前には下がるもの、という基本的な動きになりそうだ。
貴金属セクターも9月以降の上昇は公的セクターが買っていたというよりは株式市場のマネーが流入していた(ETFスルーが多いため、結果的に現物を購入することになるため、価格の上昇要因となる)ため、利息や配当が付かないことから一旦利益確定の動きが強まる可能性は高い。
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