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株式市場見通し楽観で上昇 原油は下落
  • MRA商品市場レポート

2025年11月13日 第3101号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「株式市場見通し楽観で上昇 原油は下落」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品価格はエネルギーセクターとその他農産品価格が下落したが、その他は軒並み水準を切り上げた。

米政府機関閉鎖が終了する見通しとなり、経済活動の阻害要因(例えば米国では航空便が1,000便単位で減少)がなくなるとの楽観が株を強気にさせており、商品市場もそれに連れる形となった。正直、日々の値動きは商品固有のものと言うよりも株価動向次第になっている点は否めない。

もちろん、全ての商品が上昇している訳ではなく、セクター別で言えば、エネルギーや鉄鋼原料、ソフトコモディティは年初来のパフォーマンスはマイナスとなっており、金属セクターはかなり顕著なプラス、穀物セクターは小幅なプラスとなっている。

結局、過剰流動性の供給がインフレを助長している可能性があり、その結果、、いろいろな商品価格の絶対水準(名目価格)が高止まりしていると考えられる。

現在、下落基調を強めている原油は米景気の実体を表していると考えられるが、過去の供給過剰幅からの分析だけではBrent原油が40ドルまで下落してもおかしくない。しかし、インフレによって名目価格が上昇しているため、そこまでの下落になっていないというのが実際ではないだろうか。

改めて主要国のM2の状況を見てみると、この直近3ヵ月(季節調整なし)ベースで、米国が前年比+5.9%、欧州が+10.0%、中国が+9.5%、日本が+1.3%となっており、米欧中のM2の増加が顕著で、いずれも名目GDP成長を上回っている。資金供給量はやや過剰、と言える。

なお、M2増加は必ずしも過剰流動性の発生ではなく、実体経済がそれを吸収できるかどうか、流動性の罠などの様々な論点があるため、M2増加を以て過剰流動性が発生して、商品価格が上昇するとするのはやや乱暴な議論ではある。

ただし中国などのM2が急増し、それが海外に流出して様々な価格を押し上げている可能性は排除しない(スピルオーバー効果)。

米国はQTの継続が短期金融市場の需給逼迫をもたらし、短期金融市場の流動性逼迫が経済危機に繋がる可能性がある為、これを12月で終了するとしている。このことは間接的にM2増加圧力となり、結果的にインフレ資産の名目価格を下支えしやすい。


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