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株価動向を受けて乱高下
  • MRA商品市場レポート

2025年11月10日 第3098号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「株価動向を受けて乱高下」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品価格は上昇・下落・上昇という展開になった商品が目立った。AIバブルヘの懸念や昨日発表された米ミシガン大学消費者マインド指数が市場予想を大きく下回ったことで景気の先行きヘの懸念が強まり株が更に調整。ただし後場に掛けて米民主党が政府閉鎖解除に向けてやや一歩踏み出す行動をしたことで株が戻り、商品価格も引けに掛けて下げ幅を削る展開となった。

この数週間、ほぼ商品市場は株価動向を受けて推移しており、金融相場の様相を呈している(株にとっては業績相場ではなく、流動性相場ということ)。もちろん固有の材料がある商品はその影響を受けるため、全く同じ動きにはなっていないが、日次単位の値動きは、株価動向に左右されていることが比較的明確である。

もう少し中期的に、年初からの値動きに乖離があるのがコーヒーやココアなどのその他のソフトコモディティと、エネルギーセクターで、そのほかの商品は概ね株価に連動して「似たような」値動きになっている。

今年は供給過剰がかなり前から取り沙汰されていたため、エネルギーセクターは投資対象から外れていたようであり、過度に価格が押し上げられている感じはなく、むしろ今の原油価格は足元の景況感を反映していると考えられる。つまり今は「景気は想定よりも早く底入れしたかもしれない」ということだ。

とはいえ、原油供給に於いてロシア制裁強化、OPECプラスの増産見送りなどの供給面でのノイズも多いためここは割り引く必要がある。

しかし問題は、米国から重要な統計の発表がないままに市場が動いており、実際の経済状況が想定外に悪化している、想定以上に改善しているという両方のリスクが同時に存在している点である。

今のところ民間ベースの統計は強弱まちまち。このままだと12月の米利下げに関して、FRBはもう少し様子をみたいとうのが本音だろう。


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