テック株買い戻しで株・金は上昇もその他は軟調
- MRA商品市場レポート
2025年11月6日 第3096号(簡易版)商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「テック株買い戻しで株・金は上昇もその他は軟調」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品価格は発電燃料の一角とその他農産品が上昇したが、総じて軟調な推移となった。特段材料はなかったものの米ADP雇用統計が良好だったことなどを受けた金利上昇が価格を下押ししたと見られるが、それ以上に11月のファンド決算を控えた利益確定の動きが勝ったものと考えられる。
いずれにしても今年は株が主役の相場であり、ほぼ株価をフォローする動きとなっていた。原油に関しては供給過剰感が強いため投資対象(資金を流入させるというのではなく、買いを入れる対象になり難かった)として、投機筋のプライオリティは低下していたとみられるが、金を含む金属セクターは投資対象になっていたと考えられる。
ファンドは時価評価のプラスが欲しい訳ではなく、実際に必要なのはキャッシュである。出資元が概ね年金だったりするためなおさらキャッシュは必要になる。株の場合は配当があるためそのまま保有出来るが、商品の場合配当が無いため、必ずどこかで利益確定をしなければならない。
その観点では、特に年初来からの上昇率が大きな商品の売り圧力は高まることになるし、今季初(10月)からの上昇率が高い物もその対象となりやすい。具体的に上昇率上位は以下の通り。
(年初来 :主要商品のみとしている)
プラチナ 69.7%
銀 63.0%
パラジウム 52.6%
金 50.0%
CME肥育牛 27.4%
ICEアラビカ 26.7%
CBT大豆油 24.5%
LME錫 3M 23.1%
LME銅 3M 21.6%
NYM米天然ガス 19.0%
CME生牛 17.5%
LMEアルミ 3M 12.1%
(前期比)
NYM米天然ガス 31.5%
CBT大豆ミール 19.5%
LIFFEロブスタ 10.8%
CBT大豆 10.6%
パラジウム 10.6%
CBT小麦 8.3%
ICEアラビカ 8.1%
LMEアルミ 3M 6.7%
ICE欧州天然ガス 5.6%
NYM灯油 4.8%
原料炭スポット 4.6%
NEWC 4.4%
LME亜鉛 3M 4.3%
ICEガスオイル 4.2%
CBTトウモロコシ 3.9%
LME銅 3M 3.8%
傾向として年初来は金属セクターが多く、前期比では農産品の上昇が顕著である。これらの商品は一時的に調整売り圧力が強まると予想される。
年初来は中期のトレンド、前期比は短期のトレンドであり、両方に含まれている場合はかなり地合が強いと言える。両方に含まれるのはLME銅やパラジウムなどだ。
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