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米中協議を楽観金属セクター高い エネルギーは調整
  • MRA商品市場レポート

2025年10月29日 第3090号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米中協議を楽観金属セクター高い エネルギーは調整」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は非鉄金属セクターと金を除く貴金属セクター、発電燃料の一角が堅調だったが、その他は総じて軟調っだった。米中通商合意への楽観が強まる中で、非鉄金属などの工業金属需要の下振れ懸念が後退、投機的な買いが価格を押し上げたと考えられる。

一方、通商合意への期待から安全資産として物色されていた金は利益確定の動きで水準を切り下げる流れとなった。

米国の経済統計の発表が滞っているが、民間統計は米景気の緩やかな減速を示唆するものが多く、関税にともなう調達コスト上昇分が最終価格にさほど転嫁されていないため、FRBの利下げは市場予想通り行われるとの見方が強まっていることがファイナンシャル面でも価格を押し上げている。

コロナ禍以降の大規模量的緩和の影響により、物価水準が高止まりしている状況に変わりはないが、前年比の上昇率は鈍化しているという整理である。

「株高不況」ではないが、資産を保有する層は恩恵を受ける一方で、資産を持たない層にとっては不利な状況が続いており、この傾向は日本でも共通している。

インフレ局面では実質金利の低下を通じて投資が促進されるのが一般的だが、日本の場合、賃金上昇が乏しく、労働生産性の改善もコスト削減を中心に進められているため、こうした環境下でも国内投資が活発化しにくい。

さらに、労働力不足や技術者不足といった供給制約もあり、設備投資を行いたくても実行できないという構造的問題がある。これを解消するには、賃上げや労働力の確保など複数の課題に同時に取り組む必要があり、容易ではない。

また、インフレが長引けば低所得層の生活を直撃し、治安悪化や社会不安の拡大を招く。与党・自民党が議席を減らした背景には裏金問題もあるが、インフレの影響も小さくない。

では、デフレにすればよいのかといえば、それも問題をはらむ。デフレ下では投資資金の回収に時間がかかり、投資意欲が低下して経済成長が鈍化する。一方で、現金を保有していれば貨幣価値が上がるため、大規模な暴動などは起きにくい。

現在、中国はデフレ的な状況にあるが、国民の高い貯蓄率を踏まえると、むしろデフレ傾向の方が治安の安定につながる側面もある。体制維持を重視する共産党にとっては一定のメリットがあるが、投資や成長の鈍化が続く中で、不動産問題など消費を抑制している要因を放置することはできない。

人口動態を踏まえると、中国に残された時間はおそらくあと10年程度に限られる。


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