CONTENTSコンテンツ

再び米中合意期待と失望で上昇後下落
  • MRA商品市場レポート

2025年10月23日 第3086号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「再び米中合意期待と失望で上昇後下落」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はエネルギー、非鉄金属、その他農産品が上昇、貴金属、畜産セクターが調整した。経済統計の発表はほとんどないが、米中貿易協議の妥結期待が価格を押し上げていたが、米国が中国に対してソフトウェア輸出規制を検討していると伝えられたことで、両国の対立が強まるとの懸念から取引後半に掛けて水準を切り下げる動きとなった。

なお、トランプ大統領とプーチン大統領の会談は「成果がない」として見送られることになり、同時に米財務省はロシアのロスネフチ・ルクオイルの米国内資産の凍結を発表した。飴ではなく鞭に切り替えてきた。結局、いくら会談してもプーチンが考え方を変えるつもりがないことを、トランプ大統領も認識し始めたと考えられる。

両社はロシアの原油輸出450万バレル/日の半分を占める企業であり、今後、この制裁がガス企業にも及ぶ可能性はある。この場合、日本もサハリン2からの輸入見送りといった選択を迫られる可能性が出てくる。

いきなりそういった具体的な話が出てくるとは思わないが、来週の日米首脳会談の重要性は高まることになる。

いずれにしてもトランプ政権はアメリカ・ファーストを標榜してかなり無理な政策を遂行しているため、各所で大きな軋轢が生じている。米国の政策の軸には中国を如何に叩くかがあるのは間違いないが、対中政策で歩調を合わせるべき同盟国に対してもかなり厳しい要求をしてきているのは事実である。

その中で経済的にも地政学的にもアジアにおいて最も重要な同盟国が日本であることは間違いが無く、米国側もそれはさすがに分かっているだろう。

しかし、トランプ大統領は個人的な好き嫌いで関税や制裁などをかなり積極的に行っているため、今回の会談が上手くいかなかった場合、地政学的にもかなり厳しい状況に置かれることになる。サハリン2の話が出なかったとしても、今回の会談が重要であることは間違い無い。


本日の見通し、昨日のセクター別動向と本日の見通し、マクロ見通しのリスクシナリオ、本日のMRA's Eye、主要ニュース/エネルギー・メタル関連ニュース/主要商品騰落率/主要指数/市場の詳細データPDFは、有料版「MRA商品市場レポート」にてご確認いただけます。
【MRA商品市場レポート】について