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米中妥結期待の株高を受け総じて堅調 原油は景気見通しで下落
  • MRA商品市場レポート

2025年10月21日 第3084号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米中妥結期待の株高を受け総じて堅調 原油は景気見通しで下落」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は軒並み上昇、下落は液体系燃料と欧州発電燃料。エネルギーではあるが米天然ガスは気温低下見通しや欧州向け輸出増加観測が価格を大きく押し上げた。

材料は米中協議が進捗するとの期待とそれに伴う株高。ただし同時にドル高が進行したため、商品によっては上値は押さえられた。

基本的に景気が減速方向にある中で、多くの景気循環系商品価格は下落してもおかしくないが、下落しているのはエネルギーのみであり、その他の特に金属セクターは堅調である。

エネルギー、特に液体系の原油や石油製品の価格は景気そのものであり、この価格が何兆に推移しているということはやはり景気は減速している可能性が高い。一方、金属セクターは金銀などの貴金属セクターが堅調な中、銅などの非鉄金属も物色される流れとなっている。

ただし、中国の需要が旺盛というよりは、株価上昇に伴い今年のテーマが金属セクターである投機筋の買いが価格を押し上げていると考える方が妥当である。もちろん、銅の鉱山生産停止や亜鉛製錬所の稼働停止といった現物供給周りの材料もあるが、現物プレミアムや期間構造をみるに、銅と亜鉛ぐらいしか需給はタイトとは言えない。

現状を整理すると、各国の政治家の対応が株価動向を左右しやすく、その株価動向に商品価格が左右されていると考えるのが妥当ではないか。その意味で、米中首脳会談の結果は今後を占う上で重要となる。

また、株価ヘのマイナスの影響があるとすればやはりクレジット関連のリスク顕在化となるが、昨日のこのコラムで解説した地銀やノンバンクのリスクはやや後退、昨日は米地銀ETFは上昇している。

しかし、S&P500が上昇を続ける中で9月以降、水準を切り下げており、クレジットを巡る状況がさほど改善していないことを示唆している。


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