調整も米トランプ外交緊張緩和で下げ幅削る
- MRA商品市場レポート
2025年10月20日 第3083号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「調整も米トランプ外交緊張緩和で下げ幅削る」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、その他農産品などが上昇したがその他は総じて水準を切り下げた。ただし、米中協議の進捗期待を高める発言がトランプ大統領周辺から出たため、引けに掛けては下げ幅を削る展開となった。
足元の商品市場が、政治的な要因を背景とする投機的な動きに左右されていることは否めず、結局過剰流動性に起因する高値維持が続いている状況。
恐らく、足元の経済状況を比較的正確に反映しているのは原油価格であり、その他の商品価格はやや高いとの印象は否めない。
特に今年は金属セクターが物色対象となっている。1960年以降の価格の推移を見るに、株と金はほぼ同じ値動きとなっているため、足元の価格上昇はある意味自然だが、金が限界的な水準まで上昇(短期的に上げすぎの状態。RSIが買われすぎを示す70を上回る水準まで上昇)するとその他の金属への物色が強まる。
必ず確約されている法則ではないが、実際、銅の価格は金のRSIが70を超えた9月以降に上昇が加速している。三角保ち合いを形成していたためこの水準を上抜けしたために上げが加速したとも言えるが、いずれにしても金属セクターの価格上昇はスピード違反である。
ただ、金は銅などと異なり、「実際の」実需はそれほど大きくはない。宝飾品なども将来持ち続けることを考えると、投機的な色彩が強い。つまり、価格が上昇して消費出来ない水準は銅や銀などの工業金属に比べれば高い水準にあると言うことだ。恐らくこれらの工業向けに用いられる比率が高い金属は、早晩下落に転じるだろう。
過去の物価調整済みの価格で銅は過去最高値まで、あと3%程度しか上げ余地がない。過去にこの水準まで到達すると全てのケースで下落に転じているため、今後、需要増加で上昇するにしても一旦水準調整があると考えるのが妥当だろう。
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