米中対立懸念やや緩和で株高 金属セクター高
- MRA商品市場レポート
2025年10月16日 第3081号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米中対立懸念やや緩和で株高 金属セクター高い」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は昨日上昇したその他農産品が下落、エネルギーも米中対立による両国のエネルギー需要の減少懸念が価格を下押し、鉄鋼製品・鉄鋼原料価格も下落している。しかし、金属セクター・非鉄金属セクターは軒並み水準を切り上げる流れとなった。
昨日のテーマも米中貿易交渉であったが、米国はベッセント財務長官も融和的な発言をしており、早くもTACOの様相を呈し始めている。この状況を受けての市場の反応の評価は難しい。
まず、米中貿易交渉というか戦争が続いている場合、米中の主張や制裁の市場への影響を整理すると
●中国のレアアース輸出規制
・半導体・AI関連株下落
・GAFAM関連株下落→ナスダック、S&P500下落によるマイナスのレバレッジ
・テック向け需要の減少観測で、銅・錫など下落
●米国の中国に対する100%関税
・貿易停滞によるエネルギー需要の減少・下落
・武器としてのドル使用とほぼ同義でありドル下落、回避手段として金上昇
・金が上昇するなかで銅が物色される状況にあるため、非鉄金属上昇
ざっくり上記の通りとなる。
市場のその日の反応はいずれの政策を強く意識したか、に依拠するだろう。
ただ昨日の値動きをみるに引き続き株価動向の影響が大きく、結局方向性を決めているのは株、ということになる。
その観点からすれば、株の牽引役であるテック株への影響が大きい中国のレアアース輸出制限の影響は小さくないと考えられる。
ただ、中国が圧倒的にレアアース資源を保有していることは間違いがないが、中国のレアアース輸出は2024年が5万5,431トン 輸入が13万2,931トンと輸入の方が多い。ミャンマーや米国からレアアースを輸入している。
ただし、輸入は鉱石や半製品が大半だ。
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