CONTENTSコンテンツ

米中対立激化懸念で下落 パウエル発言によるドル安・金利低下が支え
  • MRA商品市場レポート

2025年10月15日 第3080号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米中対立激化懸念で下落 パウエル発言によるドル安・金利低下が支え」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、ドル安を材料にその他農産品が上昇、貴金属セクターの一角が上昇したが、その他は軒並み水準を大きく切り下げた。

先週末に突如始まったトランプ関税が中国向けに放たれたがそれに対して中国が報復を発表、更にそれに対してトランプ政権が中国産の大豆油購入停止を発表したことなどが材料となった。

現在、米中が相互に課そうとしている制裁は以下の通り。

(米国)
・中国の独立系製油所・ターミナルなど100の個人・船舶に対する制裁(イランとの石油貿易で)
・中国輸入品全般に対して100%関税を追加上乗せ

(中国)
・米国船舶への港湾手数料引き上げ(軍事用輸出ライセンス義務化)
・レアアース輸出規制拡大
・14の外国企業を「信頼できない実体リスト」に追加(米ドローン企業など)
・韓国Hansha Oceanの米子会社5社に対する取引停止

ただし、米中ともここまでの対立は不利益しか無いこと、米中首脳会談が開催される方向に変わりは無いこと、13日に事務方が協議を行っていることが報じられるなど、最終的には合意に至るとの楽観や、FRBパウエル議長が利下げを肯定する発言に加えて、短期市場の需給タイト化が金利を押し上げる可能性が出ているため、QTを停止する方針を示したことが、価格を支える形となった。

また、昨日発表されたIMF経済見通しは、世界経済が2025年は+3.2%(前回見通し比+0.2%)と上方修正したことも価格を支えた。上方修正の理由は関税問題が一応一段落したこと、関税の影響が懸念ほどではなさそうであることが材料。

しかし、同時に米国のインフレが上振れしている一方、その他の地域ではインフレが抑制される見通しが示された。


本日の見通し、昨日のセクター別動向と本日の見通し、マクロ見通しのリスクシナリオ、本日のMRA's Eye、主要ニュース/エネルギー・メタル関連ニュース/主要商品騰落率/主要指数/市場の詳細データPDFは、有料版「MRA商品市場レポート」にてご確認いただけます。
【MRA商品市場レポート】について