トランプTACOで株上昇 リスク資産軒並み上昇
- MRA商品市場レポート
2025年10月14日 第3079号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「トランプTACOで株上昇 リスク資産軒並み上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場非鉄金属やその他農産品の一角が下落したが、その他の商品は軒並み水準を切り上げた。週末に突如として始まった中国に対する米国の100%関税であるが、早々にトランプ大統領がTACOとなったため、株が急速に買い戻される中で、広くリスク資産にも買い戻しが入る流れとなった。
結局、足元の価格動向は株価が左右していると言える。米株の代表指標であるS&P500は6,654.72ポイントだが、年末の目標価格の中央値は6,512ポイント、上下25パーセンタイルで上限が7,000ポイント、下限が6,175ポイントであるので、仮に市場予想を元にすれば、上昇余地は350ポイント程度、下落余地は500ポイント程度となる。
現在、かなり顕著に上昇している金は、インフレヘッジとは全く別の需要(外貨準備としてのポジションが上がった。背景には中国が米国債を売却して金にリプレースしていることがあるが)で上昇している。過去のデータを元にした分析では、もはや説明出来ない水準にある。
しかし、それでも株価との連動性が高い。これは投資比率を一定に保とうとする株式市場参加者の投資方針によるものと考えられる。
仮に株価のみを前提に議論した場合、金の株価に対する感応度は0.4ポイント程度であるため、ここから更に140ドル程度の上昇余地があることになる。一方で下落余地は▲200ドル程度ということになる。4,000ドル程度を維持する可能性が高いということだ。
昨日はトランプ大統領の仲介でイスラエルとハマスの人質交換が実施され、和平ヘの期待が高まった。しかし、イスラエルのネタニヤフ首相もハマスも代表団を派遣しない。
ネタニヤフは「戦いは終わっていない」と発言しており、今後、攻撃が再開される可能性はむしろ高いと考えられる。過去の戦記物でも同じだが「停戦して相手の気が緩んでいるときが攻撃の最大の好機」だからだ。実際、イスラエルはそれを過去に何回も同様のことを行っている。
一方、アラブ諸国もそれが分かっているため、トランプ大統領を持ち上げて中東和平に関与させようと必死である。アラブ諸国がパレスチナ問題には積極的に関与することを避けてきたこともまた事実だ。
結局、中東和平のためには米国の関与が不可欠、ということであり、トランプ大統領を持ち上げることでそれが維持出来るなら、ノーベル平和賞ぐらいは上げてもいいのではないかというのが中東諸国の本音ではないか。これは宇露問題に関しても同様である。
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