貴金属と原油は上昇 非鉄金属は調整
- MRA商品市場レポート
2025年10月9日 第3076号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「貴金属と原油は上昇 非鉄金属は調整」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、貴金属や原油価格が上昇、非鉄金属や発電燃料は下落した。目立った手掛かり材料に乏しかったが、株高が継続していることが広くリスク資産価格買いを助長しているが、上げペースが急速だった非鉄金属には調整売り圧力が強まったためと考えられる。
金価格の上昇が継続しているが、特に米政権が積極的に米国の信用やドルの価値を低下させる政策を採用しているため、安全資産を超えて、準備通貨としての色彩がより強く出ていることが価格を押し上げている。
実際、中国は米国との貿易で得られたドルを米国債に再投資(チャイメリカ)をすることを暗黙の了解(米国債は利息も付くし、使い勝手が良い)となっていたが、この2~3年は積極的に残高を落とし、金にシフトしている。
結局「武器としてのドル」を警戒する動きが強まっていると言えるだろう(詳しくは貴金属のコラムをご参照下さい)。
そして、金価格の上昇を受けて同じ貴金属セクターの銀やプラチナ、パラジウムには投機的な買いが入り顕著な上昇となっている。金は工業向けの需要の比率が低いため、価格が上昇したとしても困る人は少ないが、銀やPGMは工業向けの需要が多いため、価格上昇派需要を減じる。
恐らくこうした価格上昇による需要減少や代替品へのシフトが今後、強まることになると予想される。株と違って上がって困るものが商品の場合は多いのだ。
こうしたコストプッシュ・インフレがじわじわと消費国経済にマイナスに作用すると懸念される。
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