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株高継続でリスク資産総じて高い
  • MRA商品市場レポート

2025年10月7日 第3074号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「株高継続でリスク資産総じて高い」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は非鉄金属の一角やその他農産品が下落したが、総じて堅調な推移となった。米政府閉鎖の影響が懸念されはするものの、そのことが却って米金融緩和期待を高めることになり、株高が進行したことが広くリスク資産価格を押し上げる形となった。

現在、株が主導してリスク資産価格が変動する金融相場となっており、この状態が続くかどうかは、昨日も指摘したが、主に以下の要因で株が下落するかどうかに左右されると考える。

1.政府閉鎖が長期化して経済統計がまともに発表されない状態が続く(手探り状態)
2.これから発表される企業の四半期決算見通しが市場予想を下回る
3.(1.に起因するが)正しい統計を入手出来ないことによるFRBの政策判断ミス
4.現在発生している、ないしはしかかっている地政学的リスクの顕在化
 可能性は極めて低いが、米トランプ政権が不安を助長していることなどにより、米国内での紛争勃発も含まれる

また、基本的にインフレであることが、これらのリスク資産価格を押し上げている可能性は高い。既に物価上昇で低所得者層の消費環境は厳しい状態になっており、これが継続する場合各地で暴動につながりかねない。

景気が減速するから利下げ、というのは教科書通りではあるものの、コロナショック時の過度な量的緩和、米関税の影響によるコストアップ(この影響は主に米国の消費者か)、地政学的理リスクの高まりや米国ファースト主義がブロック経済化を進め、(今のところ)局地的なサプライチェーンの分断をもたらし、コストアップに繋がっていることから、安易な利下げが出来ない状況。

もちろん、AI革命などで労働生産性が改善し、物価上昇への耐性が強くなっている可能性はあるが、薄利となりやすい業種(一般論であるが、鉄鋼業、汎用化学製品製造、汎用電子部品製造、食品、繊維・アパレル、食品スーパー、家電量販、衣料品小売、など)はこれらの負担は重くのしかかることになる。

ただし、総合CPIは国によってバラツキがある。主要国のCPIは以下の通りとなっている。

日本 2.7%
米国 2.9%
英国 3.8%
豪州 3.0%
ユーロ圏 2.2%
カナダ 1.9%
スイス 0.2%
中国 ▲0.4%


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