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米政府閉鎖も金利低下・ドル安・株高で上昇する商品目立つ
  • MRA商品市場レポート

2025年10月6日 第3073号(簡易版)商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米政府閉鎖も金利低下・ドル安・株高で上昇する商品目立つ」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は石油製品の一部やその他農産品の一部が下落したが、その他の商品は軒並み水準を切り上げた。米政府機関の閉鎖は3日目に突入しているが、過去にも同様の政府閉鎖は起きているため、市場は比較的冷静であり、米利下げ期待が高まっていることが金利安・ドル安を誘発し、株高をもたらしている。

足元の市場は株を中心に動いている為、程度の差はあるが、昨日の市場はほぼ株価の動きに連動する形で、原油も金も銅を始めとする非鉄金属も上昇するものが目立った。

言葉を換えれば、株価が下落すればこれらの商品も下落する可能性があることになるが、1.政府閉鎖が長期化して経済統計がまともに発表されない状態が続く(手探り状態)、2.これから発表される企業の四半期決算見通しが市場予想を下回る、3.(1.に起因するが)正しい統計を入手出来ないことによるFRBの政策判断ミス、4.現在発生しているないしはしかかっている地政学的リスクの顕在化(可能性は極めて低いが、米トランプ政権が不安を助長していることなどにより、米国内での紛争勃発も含まれる)、といったことが材料となる。

もちろん、関税政策の影響が顕在化する中で企業業績が下振れし、それに伴って株価が下落し、景気減速の影響を緩和する目的で利下げが行われ、市場のクラッシュを回避できるというのが希望的観測を含めたメインシナリオだろう。

仮に何かしらの問題が生じて経済がクラッシュした場合、再び量的緩和・金利引き下げが行われ、資産バブルが発生することになる。こうなると結局、問題にのしを付けて更に先送りするだけであり、ポスト・トランプに大きなリスクを残すことが懸念される。

4.の地政学的リスクは無視できない状況。宇露停戦はほぼ不可能な状態で、このコラムでかつて指摘したように10年コースになる可能性がたかまっている。

また、トランプ大統領はハマスが停戦に合意しなかった場合の攻撃を示唆している。ただ、これまでイスラエル・ハマスとも停戦で合意しても即時にこれを破っているケースが多く(公平に報道を見るとイスラエルが破っているケースが多い)、過去の例に照らせば米国が攻撃を実施する可能性が高い事になる。

この場合、エネルギー価格に上昇圧力が掛かる可能性が高まるが、影響が不明であり市場は発生してからこれを織り込み始めるため、今はショートポジションを積極的に取らない程度に留まっているとみられる。


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