ドル安・金利低下を受けて総じて堅調
				
- MRA商品市場レポート
			2025年10月2日 第3071号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「ドル安・金利低下を受けて総じて堅調」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は原油やその他農産品、欧州・アジアの発電燃料価格が下落したが、その他の商品は軒並み水準を切り上げた。懸念されていた通り米政府機関が閉鎖となったが、これをものともせず、株価が上昇、同時に米ADP統計の悪化を受けて金利が低下、ドル安となったことが広く商品価格を押し上げることとなった。
冷静に考えればただでさえ、米金融政策動向を占う上で雇用関連統計が重要であり、その発表をFRBも市場参加者も待っている状態だったが、このままだと一連の雇用・物価関連統計の発表が行われ無いため、リスク資産には売り圧力が強まる可能性が高い。
しかしこの数年、債務上限問題などを材料に米共和・民主の争いが激化、政府閉鎖はもはや普通のイベントとなっており、「どうせ早晩解除されるだろう」との楽観が株価を押し上げた。確かに数週間で終わるならその影響は限定されるだろう。
ただし、民主党政権時代にインフレなどの問題に対処できず、富裕層やエリート寄りの政策と見做され国民からの支持が得られていない。今回民主党が反対している理由は、低所得者向けのメディケア(公的医療保険)の削減を共和党が主張していることによる。民主党にとっては良いアピールの場であるため、そう簡単に降りるわけにはいかない。
しかし、直近の世論調査では両党の支持率は低水準で拮抗しており、熱狂的なトランプ支持者を除けば、現政権の政策が米国民全てに支持されている訳ではない。実際、米政権の政策は民主党政権と同様、富裕層に有利に働くおのが多い。インフレが続く中で、徐々にそれは国民が認知することになろう。
国民や市場のことを考えれば、政府閉鎖の状態は早晩解消するというのがメインシナリオではあるが、意地になっている両党が上げた拳を振り上げたままの状態を続ける可能性は低くはないとみる。この場合、リスク資産価格には下押し圧力が掛かることになる。
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