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政府閉鎖懸念や原油安を受けて軟調
  • MRA商品市場レポート

2025年10月1日 第3070号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「政府閉鎖懸念や原油安を受けて軟調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は金やその他農産品など景気に連動し難い商品が物色されたが、その他の商品は軒並み水準を切り下げる動きとなった。

10月1日(今晩)から米政府が閉鎖される可能性が高まっており、そして自宅待機となった米職員はそのまま解雇される可能性が出てきていることで、特に先行きの金融政策動向への不透明感がリスク回避の動きを強めたことが材料となった。そのため、昨日発表された米統計は余り積極的に材料にされていない。

昨日発表の米統計は強弱まちまち。JOLTS求人は7,227千人(市場予想 7,200千人、前月7,208千人)と前月・市場予想を小幅に上回り、米労働市場がタイト化していることを示唆する内容。

しかし、自発的失業者数は3,091千人(3,165千人、3,166千人)と減少、解雇者数も1,725千人(1,827千人、1,787千人)と減少しており、「雇わず、解雇せず」の状態が続いていると考えられる。

別の言葉を使えば、「移民の強制送還継続、米国生まれの労働者へのリプレースが起きる一方、関税の影響による業績不透明感から積極的に雇用が行われている訳ではない」ともいえ、企業は現状維持していると考えられる。

一方、コンファレンスボード消費者信頼感指数は94.2(市場予想96.0、前月97.8)と悪化している。コンファレンスボード消費者信頼感指数はどちらかと言えば雇用環境を中心とした統計であるため、雇用環境が悪化を始めていることを示唆している。

そしてJOLTSが8月の統計、コンファレンスボード消費者信頼感指数が9月の統計であるため、この時間差で雇用環境が悪化していると予想される。

しかし、やはりよく分からないのが米関税の影響であり、このまま全く最終価格に仕入れ価格の上昇分を転嫁しない場合、企業業績悪化を通じて株価の下押し要因となる。

仮に価格転嫁すれば恐らく消費に影響がでて売上高が減少、結局業績悪化、株価下落に繋がる可能性は高い。この状況を勘案するとFRBが利下げを行うことは妥当と言えるだろう。

各国の為政者は否定するが、株価動向が経済政策や金融政策に影響を与えていることは間違いが無いため、この状況で利下げをしろと中央銀行に大統領が強要しても不思議ではない(中央銀行の独立性毀損で大きな損失を被る可能性は高いのだが)。


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