米統計改善で上昇 ドル高が上昇抑制
- MRA商品市場レポート
2025年9月26日 第3067号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米統計改善で上昇 ドル高が上昇抑制」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はエネルギーやその他農産品が調整したが、その他の商品は軒並み水準を切り上げる展開となった。
注目の米雇用関連統計は想定よりも強い数字となり、過去の指標であるが米GDP確定値が大幅に上方修正されたことが、米FRBによる利下げ観測を後退させたが、最大経済国の米景気が想定よりも減速していないことは、需要面で景気循環系商品にプラスに作用する、とみられたことが価格を押し上げたようだ。
しかし、金利上昇で株価が調整しているといっても年初からの上昇が大きく、昨日の下落もその観点ではあるべき調整のレベルと言える(昨日時点でS&P500は年初来+12.3%、昨日の下落が▲0.5%)。
米GDPは前期比年率+3.8%(市場予想+3.3%、改定値+3.3%)と市場予想、改定値共に大幅に上回った。特に個人消費が+2.5%(+1.7%、+1.6%)と非常に堅調であり、関税の影響が最終価格に転嫁されていないことが消費を支えていると考えられる。
今後は、関税による調達コストの上昇を企業がどれだけ吸収できるのかが焦点になってくる。恐らく100%を飲むことは不可能であり業績に影響が出るだろう。しかしGAFAMなどのテック系超優良企業は関税の影響を受け難く、かつ、人手不足もAIなどに置き換える動きが見られ、GAFAMは数千人~数万人規模での人員削減をする見通し。
この結果、これらの企業の労働生産性は改善、利益も上振れするため企業業績と株価にプラスに作用するが、雇用環境は悪化していくということが起こり得る。
S&P500やナスダックなど、これらのハイテク企業の株価の影響が大きい指数は高値を維持するが、製造業や小売業などの業績は悪化が見込まれる(GAFAMのS&P500の時価総額シェアは25%程度、ナスダックは50%程度と非常に大きい)。株価のみで現在の景況感を判断するのは危険である。
しかし、現在の商品を含む金融市場は、「株価が主役となって動いている」感は否めない。株が上昇するとそれに合わせて投資比率を維持するため、その他の商品が買われるという流れだ(金はやや別の観点で買われているが、やはり株価の影響は無視できない)。
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