FOMCを控えて総じて軟調
- MRA商品市場レポート
2025年9月18日 第3061号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「FOMCを控えて総じて軟調」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は発電燃料の一角とその他農産品の一角が上昇したが、その他の商品は軒並み水準を切り下げる動きとなった。時間的に全ての商品がFOMCを織り込んでいる訳ではないが、FOMCでの決定が「ややタカ派的である」と判断されたことが中長期金利の上昇をもたらし、ドル高進行が価格を下押しした。
非鉄金属など、FOMCを織り込めない商品も下落したが、こちらはFOMCを控えたポジション調整に押されたと考えられる。
FRBパウエル議長はFOMC後の記者会見で、「雇用関連統計の修正は、もはや米国の労働市場が堅調で無いことを意味する」と発言、一方で関税のインフレに対する影響は今後も積み上がり続けるとし、インフレに配慮する発言も見られた。
結局、雇用情勢の悪化と物価の安定という2つの責務に配慮した内容だったと言え、まとめるとタカ派的な利下げだったと言えるだろう。今回の利下げは「リスク管理のための利下げ」であるとしており、成長を押し上げるという目的のものではなく労働市場が大幅に減速することを回避することを目的とするものであるといえる。
ドットチャートは年内あと2回の利下げがコンセンサス、2026年は1回、2027年は1回が見込まれており全体として政策金利の水準は前回FOMCから引き下げられている。
なお、トランプ大統領の刺客であるミラン理事は事前予想通り▲50bpの利下げを主張したが、その他の委員は利下げを主張していたウォラー理事も含め、全て▲25bpを支持しておりFRBの結束が確認されている。
今後、トランプ大統領がかつての日本と同じように、次々と緩和支持派をFRBに送り込むことが想定されるが、依然として物価水準は高く、このタイミングでの過度な利下げが先々のインフレをもたらすリスクは無視できない。
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