米緩和期待で軒並み上昇
- MRA商品市場レポート
2025年9月16日 第3059号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米緩和期待で軒並み上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は軒並み水準を切り上げる商品が目立った。朝方発表された中国の重要統計(詳しくは昨日のトピックスを参照下さい)は正直、冴えない内容だったが、夜間に発表された米ニューヨーク連銀製造業指数が更に冴えない内容だったため、「FOMCで更に金融緩和規模が拡大するのでは」との期待が米金利低下とドル安、株高を誘発したことが広くドル建てインフレ資産価格を押し上げる形となった。
昨日発表の米ニューヨーク連銀製造業指数は、▲8.7(市場予想 5.0、前月 11.9)と大幅に悪化、内訳を見ると新規受注が▲19.6(前月15.4)と大幅に悪化している。
一方、価格は仕入れ価格が46.1(54.1)と前月から急減速したがそれでも高い水準を維持、販売価格は21.6(22.9)と低下したがやはり水準は高い。
プラスだった雇用指数は▲1.2(4.4)と減速、雇用環境が悪化していることを示しており、「関税引き上げ、移民強制排除」に伴うスタグフレーションが顕在化していることを示している。
FRBは雇用安定と物価安定の2つの責務を負っているが、雇用環境が悪化すれば消費も減速し、物価も下がる(関税の影響は一時的)ためまずは雇用情勢の方に配慮する政策を採用すると言うことだろう。
また、前回、このコラムで指摘したようにかねてから懸念されていた自動車ローンで、サブプライム自動車ローンを組成する企業が破綻(しかし金利というよりは詐欺とか不正の影響の様子)しており、利下げをしなければならないのもまた事実だろう。
ただ、今回のインフレは大規模金融量的緩和の影響が小さくないといえ、これを縮小しなければインフレ退治は難しい。しかしこれを縮小すると景気が悪化することも間違いが無い。それを今回米政権は関税で行っているが、結局その税収増を配布するとしており、恐らくインフレ圧力は続くことになろう
CBOの試算では、税収増が10年で4兆ドル、トランプ減税が4.1-4.6兆ドル程度であるため、関税を上回る減税が行われる見込み。
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