FOMCを控えて様子見も堅調 非鉄金属急上昇
- MRA商品市場レポート
2025年9月15日 第3058号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「FOMCを控えて様子見も堅調 非鉄金属急上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、発電燃料の一部やソフトコモディティが下落したが、ほとんどの商品が水準を切り上げる展開となった。特段新規の材料があった訳ではなく、アジア時間から上昇が続き、ミシガン大学消費者マインド指数が米FRBによる利下げ見直しを肯定するような内容でもなかったことが、価格を押し上げた。
特に昨日上昇が顕著だったのが非鉄金属セクター。中国のファイナンス活動が前月から回復したことで、最大消費国の需要が増加するという「前提」がある中、株高は基本的に変わらず、米利下げに伴うドル安進行観測が根強い中で買いがはいった。
そもそもバックワーデーションになっている金属は亜鉛とアルミぐらいのものであるが、チャート的にほとんどの金属が三角保ち合いを形成していたことから、テクニカルな上昇だったと考えられる。
脱炭素の話が広がって以降、ファンド筋はエネルギー専業のところが非鉄金属セクターに参入するなど、かなり積極的に市場を混乱させている印象が否めない。
とはいえ、為替のドル安を考慮した場合、実力ベースで需給がタイトなのは、銅と錫のみ。また、期間構造から現物需給がタイト化しているのが亜鉛とアルミ、であることを考えると鉛とニッケルを除く非鉄金属が強気ということになる。
過去にも観られたことであるが、金が上昇銀が上昇、限界的な水準まで上昇すると非鉄金属のベンチマークである銅が物色され、その他の金属価格を押し上げるということが起きる。足元、結局円安圧力が強まる中、日本の内需系企業で金属製の汎用品を製造しているメーカーは、米関税に伴うコスト削減や安価な中国製品の流入で、より経営環境が厳しくなる懸念がある。
ただし、冷静に市場をみていて、ほころびが出始めていることも事実である。このコラムでも何回か指摘しているが、「米国の利下げ局面で危機が顕在化することが多い」ためだ。
週後半、米国で自動車のサブプライムローンを提供しているトライカラー・ホールディングスが破綻した。この破綻が800億ドル規模の自動車ローンの証券化市場に悪影響をおよぼし、その他の金融機関の業績悪化に繋がる恐れがある。
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