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弱めのPPIでドル安進行堅調 宇露・中東情勢悪化でエネルギー高い
  • MRA商品市場レポート

2025年9月11日 第3056号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「弱めのPPIでドル安進行堅調 宇露・中東情勢悪化でエネルギー高い」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はその他農産品や畜産品価格が調整したが、その他の商品は軒並み水準を切り上げる展開となった。

また、エネルギーに関しては前日のイスラエルによるカタールへの攻撃に加え、ロシアがポーランドにドローン攻撃を仕掛け、米仏独伊蘭の連合軍がこれを撃墜したと報じられたことが、エネルギー価格を押し上げた。

注目の米PPIが想定外に減速、総合指数とコア指数が前月比マイナスとなり、米金融緩和は9月は確実とみられたことがドル安を誘発、株高と相まって価格を押し上げた。

ただし、PPIを細かく見てみると、総合指数は前月比▲0.1%(市場予想+0.3%、前月+0.7%)、除くエネルギー・食費が▲0.1%(+0.3%、+0.7%)と減速、サービスは▲0.2%、財は+0.1%となった。

サービス価格の押し下げに寄与したのは貿易サービスであり(▲1.7%)、やはり最終需要の弱さを映じて価格を引き下げざるを得なくなっていると推察される。この状態が続けば、企業業績は悪化するだろう。昨日の米株も、伝統的な銘柄が多い関税の影響によるコストアップを、最終価格に転嫁できていないことが浮き彫りになっている。

昨日の株価動向を見るに、S&P500は前日比+0.3%の上昇だったが、除くITでは▲0.4%、ITセクターでは+1.8%となっている。つまり、関税分の価格転嫁が進まない伝統業種の業績悪化が意識されたためと考えられる。

この状況を回避したいと利下げをトランプ大統領やベッセント財務長官は主張しているが、関税の影響が一時的であるならばそれは是とされるだろう。

今年はトランプ大統領が誕生して以降、ドル安が継続しておりドル建て資産の名目価格を押し上げている。今年の商品相場を占う上で、ドル指数動向の分析は特に重要になっている。


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