米緩和期待で総じて上昇
- MRA商品市場レポート
2025年9月9日 第3054号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米緩和期待で総じて上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は軒並み水準を切り上げる商品が目立った。先週金曜日の米雇用統計が弱い内容であり、FRBの9月利下げの可能性が高まっていることが、ドル安と株高を誘発しており、広くリスク資産価格を押し上げる形となった。
関税の影響で米景気は減速しているものの、同時に発表されている物価関連統計はまだインフレが沈静化していないことを示唆しており、利下げに伴う実質金利の低下が、インフレ資産価格を押し上げるとの見方が強まっていることが、価格を高値に維持していると見られる。
昨日はその他農産品の上昇が大きかったが、金価格の上昇を受けて割安感からパラジウムに循環物色の動きが強まっており、貴金属セクターはさらに上昇余地を探りやすい。
特に米金融緩和、トランプ政権の政策が総じて米国のステータスを貶める政策であること(目先の利益に捕らわれて、二次的、三次的影響を理解できていない)、結局何でもかんでも関税による「ディール」で何とかなると考えているが、中露に完全に足元を見られており、かつ、同盟国であるはずのイスラエルも暴走しており、地政学的なリスクが高まっていることから、金が積極的に物色されている。
ECBの報告でも、世界の外貨準備に占めるシェアはユーロを抜いて金が2位になった。もちろん時価で評価するため金価格が上昇すれば自動的にシェアが上がるのだが、現状、積極的に金を売る材料が見当たらない。
あるとすると、米景気の急減速による株価下落時であるが、今のところそれは回避されている状況。
なお、先日のMRA's Eyeでも解説しているが「過去の株価との関係性」を考慮すると、金価格は現在の株価水準だと4,000ドルを超えて上昇してもおかしくない。ただ、配当や金利が付かない資産が株価のパフォーマンスを上回って上昇した場合、過去の例では材料一巡後は大幅に下落している溜め、要注意である。
本日の見通し、昨日のセクター別動向と本日の見通し、マクロ見通しのリスクシナリオ、本日のMRA's Eye、主要ニュース/エネルギー・メタル関連ニュース/主要商品騰落率/主要指数/市場の詳細データPDFは、有料版「MRA商品市場レポート」にてご確認いただけます。
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