米主要市場休場も金上昇で貴金属セクター強い
- MRA商品市場レポート
2025年9月2日 第3049号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米主要市場休場も金上昇で貴金属セクター強い」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は貴金属やエネルギーセクターが上昇、非鉄金属の一角が下落した。上昇が顕著でニュースでも取り上げられているのが貴金属セクターの上昇で、金は取引時間中の最高値(4月22日の3,500.1ドル)を目指す動きとなっている。
宇露情勢、中東情勢、米印関係の悪化、BRICSが結束して米国と対立していること、といった「消去法的に金を物色する材料」は枚挙に暇がなく、更に利下げも行われる見込みであるため、金が最高値を一時的にでも更新するのは時間の問題だろう。
最高値はどの程度が適切か?の議論は答えを出すのが難しい。というのもエネルギーなどの日々の生活に用いるものと異なり、この水準まで上昇すると消費を手控える、ということは余り起きないからだ(スマートフォンなどの工業品の接点部品として用いられる量は少なく、価格転嫁も可能)。
現在の価格上昇が米国発の国際秩序の強制変更やリーマン、コロナ両ショックを景気とする、市場ヘの資金供給増加が背景にあることを考えると、これらの逆回転が起きることが価格低下には必要ということになる。
ただ、日々、トランプ大統領の感情的とも言える発言や対応が金を売る理由をなくしているのも事実だろう。
なお、年初来の価格上昇率を見ると貴金属セクターが+35.2%と顕著であり、特にプラチナ(55.0%)と銀(40.8%)の上昇が牽引している。この中で流動性の問題から物色が回避されやすいパラジウムは上昇率が24.6%であるためまだ上げ余地があるといえる。
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