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エネルギー軟調 金属堅調
  • MRA商品市場レポート

2025年9月1日 第3048号(簡易版)商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「エネルギー軟調 金属堅調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はエネルギーやその他農産品を含む農産品セクターが調整し、非鉄金属・貴金属を含む金属セクターが総じて堅調な推移となった。

注目の米個人所得・支出は同国の消費が堅調であることを示唆する内容であると同時に、コアPCE価格指数が市場予想の範囲ながらもじわりと水準を切り上げていることから強弱材料が混在、週末は週末の三連休を控えて調整売り圧力が強まったためと考えられる。

ドル建て資産価格に対する説明力が高いドル指数は取引序盤は上昇していたが、引けに掛けて水準を切下げる動きに。むしろ昨日はドルが上昇してもおかしくない材料が多かったが、強いて言えば、FRBの独立性をめぐる米大統領との対立がドル回避の動きを強めた可能性があると考えられる。

現状、市場参加者はFOMCでの▲25bpの利下げをほぼ織り込んだ形になっている。しかし、CPIやPPIはFOMCの一部のメンバーの発言を借りれば「一時的な上昇」であるため、今後も持続的に利下げをしても良いとする見方、一方で上述の通りコア物価指数はじわりと上昇しているため、これから正に関税の影響が価格を押し上げることが予想されるため、それほど早いペースでの利下げは困難とする見方、両方に分かれている。

FRBはデュアルマンデートのうち、雇用市場の安定の方に軸足を移しつつあるため、物価が2%台で安定していることを考えると、予防的、ないしは金融政策正常化の観点から政策金利は複数回下げられる、というのが現在の市場コンセンサスではある。

とはいえ、ISM製造業指数の先行指標であるシカゴPMIは41.5(市場予想 46.0、前月47.1)と大幅に減速しており、良好だったミシガン大学消費者マインド指数も下方修正されていることを考えると、未だ、来月初めに発表される雇用統計を注視したいと考えるのは自然だろう。

言葉を換えると、ノータイムで▲50bpや▲75bpの利下げができる様な状況にあるわけではない、ということだ。


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