ジャクソンホール控え様子見 ドル高で総じて軟調
- MRA商品市場レポート
2025年8月19日 第3039号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「ジャクソンホール控え様子見 ドル高で総じて軟調」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はその他農産品や液体燃料価格が上昇したが、その他は総じて軟調な推移となった。ベースとなるドル指数が薄商いの中、水準を切り上げたことが総じて価格を下押しする一方、ここまでOPECプラスの増産観測などを材料に売られてきた液体燃料には割安感からの買いが入った。
一方、経済対策の効果で堅調に推移していた非鉄金属は、中国の統計減速やドル高を材料に調整圧力が強まり水準を切り下げ。貴金属は流動性が低いPGMが売られたが、宇露情勢に大きな進展がない中で金銀は高値を維持している状況、
連日高騰を続けている株式市場と比較して、商品市場は比較的落ち着いた推移となっており関税の影響を意識して総じて下押し圧力が強まっているとの印象が強い。
目先、市場の最大関心時は21日から始まるジャクソンホール会議にシフトしている。5-7月の雇用統計大幅修正を背景に、そもそも利下げをしたいと考えていたパウエル議長が利下げヘの地ならしをする、というのが今のところは市場コンセンサスである。
昨晩発表のニューヨーク連銀サービス業景況指数は、▲11.7(前月▲9.3)と減速、数値を下押ししたのは現在の景況感(▲34.6→▲39.3)、先行き景況感(▲16.4→▲20.9)と悪化、雇用環境も3.8→1.0、先行き雇用も10.2→3.5と悪化が見込まれている。
ただ、やや気になるのが直近発表された米PPIが市場予想因りも強い内容であり、平時であれば「まだ様子を見たい」というのが本音だろう。ニューヨーク連銀指数でも、仕入れ価格は64.3(64.5)、先行き仕入れ価格は67.8(64.4)と高止まり~上昇見込みである。
とはいえ、FRBも雇用情勢に関心をシフトさせていることから、恐らく9月の▲25bp利下げの可能性は極めて堅いと考えられる。
米金融政策とは全く別だが、日本時間の早朝、米宇首脳会談、米宇欧首脳会談が終了、米国はウクライナヘの支援を継続することを約束し、今後の3者会談の成立にも意欲を示した。トランプ大統領が和平合意を急ぎ、ロシア側に有利な交渉をする可能性はまだ残るが、話し合いが継続しているという点では評価ができる。
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