再度のトランプ砲で高安まちまち
- MRA商品市場レポート
2025年7月14日 第3014号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「再度のトランプ砲で高安まちまち」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は高安まちまちとなったが、エネルギーや貴金属、その他農産品価格が上昇、非鉄金属は下落となった。米大統領の不規則発言が材料である。
米トランプ大統領が「尊敬している」と発言しているボルソナロ大統領(選挙結果を受けたクーデター疑惑、マネーロンダリングなど)の裁判を終結させろとしてブラジル政府に対して50%関税を課すといきなり表明した。
また、最も物理的な距離が近い、G7でありかつ同盟国のカナダに対しても35%の関税を適用するとしたこと、14日にロシア産原油を購入している国(中国やインド)に対して500%の関税を課すとする可能性が意識された。
この結果、リスク回避の動きと、関税に絡むリスク回避や需要増加・減少観測を強めたことが価格を不規則に動かした。
正直、同氏のブラジルに対する50%関税は公私混同も甚だしく、世界の大統領である米大統領がやるべきことではない。完全に私怨だろう。また、ボルソナロ大統領と同じく「尊敬している」としていたプーチン大統領に対しても「失望した」としていきなり500%の関税を課すという。
正直、経済合理性があるとも思えず、思いつきとその瞬間瞬間の「腹の虫の居所」で政策が変更される状態が続いており、これは第一次トランプ政権のときよりも酷くなっている。
「考え方が合わない」としてトランプ政権を離脱したイーロン・マスク以外は同氏に忠誠を誓っているため、トップの発言は無視せず、仮にそれが思いつきだったとしても履行されてしまうのが現状である。
しかし関税で苦しむのは米国の輸入業者であり、最終的には消費者であるため「いくらかの痛みを経験したのちに」常識的な水準に関税が引き下げられると考えるのが(一応)常識的なシナリオである。
これらの政策は、経済合理性があるものではないため、正直それが実行される可能性やその効果を議論するのは非常に難しい。最早、常人の理解の範囲外である。
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