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総じて軟調 発電燃料は上昇
  • MRA商品市場レポート

2025年7月2日 第3008号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「総じて軟調 発電燃料は上昇」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は発電燃料、貴金属セクターが上昇、その他は調整圧力が強まった。発電燃料は欧州を含む北半球の気温上昇が例年よりも早く、猛暑の可能性が高まっていることがエネルギー需要を増加させていることが材料となった。

貴金属に関しては、米国で「ひとつの大きく美しい法案」が可決され、過度な財政支出が認められたことで、米財政状況の悪化を材料とする金へのシフトが起きたためとみられる。

米国の資金循環をみるに、家計部門は資金余剰で、企業・政府部門が資金不足でありこれを家計部門と海外からの投資で賄っている状況。米国の財政政策やドルの価値を毀損するような政策が取られれば米国の資金調達も困難になることから金利上昇やドル安進行も無視できない。

ただし、米国債市場に変わる市場が存在しないことからこの状況においても、そこまで米国債市場の将来はそこまで悲観的に見られていない。ただし、一定量その他の資産に分散した方が良いというマインドが高まっているのは事実ではないか。

そんな中で米トランプ大統領は強く金利下げをFRBパウエル議長に要請している。しかし昨日パウエル議長は「関税がなければ金利を下げていた」とし、これに対してトランプ大統領は「1%が適切だ」とほとんど根拠のない数字を上げて罵倒している。

一方、昨日発表されたJOLT求人は良好で、宿泊・飲食などの雇用者が前月比+27.9万人(前月▲4.8万人)と大幅に増加した。一方で卸売(▲2.7万人)、小売り(▲7.1万人)は求人数が減少している。

一方で求人率は4.4%(前月4.2%)と上昇、解雇者数は減少、自発的離職者数は増加している。これらを総合して考えるとトランプの移民強制送還で人員が減る中、恐らく宿泊・飲食業の人手が不足、それを補う動きがあるが白人低学歴層がそれを好んでいない可能性がある。

一方卸売・小売の求人減少は、トランプ関税の影響で仕入れコストが上昇し、ビジネスが成り立たなくなっているため雇用者を減らしている可能性がある。強制的に雇用のミスマッチと不透明感が高まっている、というのが米国の労働市場の現状だろう。


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