米参戦観測でエネルギー上昇その他は調整
- MRA商品市場レポート
2025年6月20日 第3000号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米参戦観測でエネルギー上昇その他は調整」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はエネルギーや金が上昇したが、その他の商品は総じて水準を切り下げるものが目立った。米国主要市場は休場。
報道ではトランプ大統領が「イラン参戦に乗り気」と報じられ、原油やガス価格が上昇していたが、日本時間昨晩26時頃にレビット報道官が「2週間以内にトランプ大統領は決断する」と発言したことでBrentは上昇したが、WTIは下落した。
解釈がなかなか難しいが、中東情勢不安でBrentやDubaiが上昇するのは納得感があるが、WTIの下落は景気悪化に伴う株価下落、それに伴う需要減少で米国域内の需要が減る、との見方が強まったためではないかと考えられる。
とはいえ、Brentが高止まりする中、かつてと異なり米国も原油輸出のファシリティを有するため、Brentが上昇する中ではWTIも最終的に連れ高になると予想される。
ただし、2週間の期限を設けているが、本当に2週間以内に攻撃を決断するとは考え難い。つまり、イランが解決に向けて交渉に乗ってくるのであれば「期限を延長する」可能性も残ると考える。
というのも、報道ベースではMAGAの人々は今回のイスラエル・イラン戦争に米国が参加することに関して否定的な意見を持つ人が多いためだ。
例えば第一次トランプ政権で主席戦略官だったスティーブ・バノンは他国の紛争に米国が関与するべきではないと発言している。その他の議員も「イスラエルが自分で始めた戦争は、自分で後始末しろ」という意見は多いようだ。
その一方で、テッド・クルーズ上院議員などは「聖書はキリスト教徒にイスラエル国家を守るように命じている」と発言、イスラエルを擁護し、イランの政権を転覆することを主張している。宗教観に基づく主張だが、宗教は「無限の暴力を肯定する材料」に利用されるため、こうなってしまうともはや理屈ではない。
CNNの調査では60%の国民がイラン・イスラエル戦争ヘの参加に否定的な見方をしているが、40%もの国民が参加を支持している。宗教観の問題はあるのだろう。
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