米中協議の期待とドル安進行で上昇
- MRA商品市場レポート
2025年6月3日 第2987号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米中協議の期待とドル安進行で上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はソフトコモディティや穀物の一角が総じて軟調な推移となったが原油や非鉄金属などの景気循環系商品は米中協議進展期待や、ドル安を受けて総じて水準を切り上げる展開となった。
注目の米ISM製造業指数は、48.5(市場予想 49.5、前月 48.7)と市場予想・前月を下回り、支払い価格指数は69.4(69.3、69.8)と上昇見通しであり余り良い内容とはいえない。
しかし、閾値の50は下回っているが新規受注が47.6(47.2)、雇用も46.8(46.5)と改善していることからそこまで悪い統計とは見られなかったようだ。
この週末は、トランプ大統領が鉄鋼・アルミ関税を強化する方針を示したことや、中国との関税交渉が上手くいっていない(ように、米大統領の発言では読み取れる)様子であり、基本的に景気循環系商品には下押し圧力が掛かりやすい材料が多かった。
しかし、米中首脳会談が今週中にも開催される見通しであることや、正直材料が良く分からないが長期金利が上昇する中でもハイテク関連株に買い戻しが入る流れの中で、投資余力・リスク選好が回復した市場参加者が広く買いを入れたためと考えられる。
エネルギーに関しては個別の材料があり、OPECプラスが41.1万バレルの増産を決定したが、カナダの火災で▲47万バレルの減産となることから、供給面の材料は相殺され、ドル安や株高、宇露・イラン米国の交渉の不冴えが先々の供給不安に繋がり、価格を押し上げたようだ。
なお、米国の鉄鋼・アルミ関税の引き上げは今回は中国と日鉄・USスチールのディールを後押しする目的と考えられるものの、FT社が「TACO」として米大統領を煽った影響は小さくないと考えられる。
もちろん、トランプ大統領の心の内は彼しか分からない訳だが、良くも悪くも「市場と対話をしている大統領」だったわけだが今後、市場急変時に政策を調整することはないかもしれない。結果、先行きはより不透明になった怖れがある。
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