株安・ドル高を受けて軟調 エヌビディア決算待ちと長期金利上昇
- MRA商品市場レポート
2025年5月29日 第2984号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「株安・ドル高を受けて軟調 エヌビディア決算待ちと長期金利上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は一部のエネルギーや穀物を除くと総じて水準を切り下げる商品が目立った。ドル高が進行したことや、エヌビディアの決算を控えて株価が下落したこと、世界的に注目度が高まっている日米の長期債入札が不調だったことが影響した。
景気減速局面での金利動向は過去、中央銀行がビハインドザカーブとなり、大きなショックをもたらしつつリスク資産価格を押し下げ、その後の過度な金融緩和・量的緩和が資産価格を押し上げ、「再びクラッシュが発生しないように」として緩和解除が緩やかになるため、インフレ傾向が持続する、というパスを経てきている。
いずれも5~10年程度の時間を掛けて通常(と、もはやそれを通常と言っていいのかは微妙であるが)状態に戻っている。
しかし、今回も財政健全化に舵を切るのではと一瞬期待された米政権も、蓋を開けてみれば大幅減税であり、日本も自民党が少数与党となり、野党に迎合する中で財政の規律がさらに緩んできている状況で、改めて財政状況が意識されている。
この時「デフォルトするのかしないのか」が議論になり、米国は基軸通貨のドルを保有すること、米国債市場の代わりとなる市場は存在しないこと、日本はその9割を国内で消化できていること、外貨調達が必要な外貨建て債が発行されている訳ではないことから、恐らくデフォルトはない。
しかし、財政状況への不安から格下げや、国債が実際にできずに金利が上昇することは有り得るし、日本の場合、基軸通貨ではないことから財政状況が悪化したり長期金利上昇を抑制するために仮に日銀がYCCを復活させようものならば、再度円安に傾くリスクは払拭できない。
今年の重要なリスクの1つは、やはり金利であると言える。
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