株下落とドル高で調整
- MRA商品市場レポート
2025年5月23日 第2980号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「株下落とドル高で調整」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は下落した商品が目立った。昨日の欧州PMIが市場予想を下回る一方、米国のPMIが改善したことによる景況感格差がドル指数の上昇要因となった。
また、米国国債格下げショックと20年債の入札不調で米金利が上昇していたが、昨日はそれが一巡して金利が低下したため、ドル回避の動きが強まったことが背景。
PMIはドイツの製造業PMIが48.8(市場予想 48.8、前月48.4)と改善ながらも閾値の50を下回り、ユーロ圏は49.4(49.2、49.0)と市場予想・前月とも上回ったがやはり閾値の50は下回った。
一方サービス業は、ドイツが47.2(49.5、49.0)、ユーロ圏が48.9(50.5、50.1)と大幅に減速。調査元のコメントでは、サービス業は域内の需要が低迷していることによるものとしている。
一方、米製造業PMIは52.3(市場予想 49.9、前月 50.2)と大幅に改善、サービス業に関しても52.3(51.0、50.8)と大幅な改善となった。S&Pのコメントでは、製造業・サービス業共に生産と新規受注が改善したこと、先々の関税による仕入れ価格上昇に備えるため、在庫を積み増ししたことが影響したとしている。
恐らく、先々は関税の引き上げに依る価格上昇が需要を減じると予想されるが、関税の引き上げが10%程度に止まるとみられ、影響は以前ほど深刻ではないというのが現状の見立てだろう。
ただ、それなりに市場が安定すると、トランプ大統領が不規則な発言をするためまだまだ市場の不安定さが継続するとみるべきであろう。
なお、先ほどG7の共同声明が発表され「過剰生産に懸念」として中国を牽制する共同声明が採択された。しかし、米国が保護主義に走っていることはスルーされた形。結局、米国の対中政策にG6が同調したといえ米国の思惑通りといえる。
ベッセント財務長官が上手く立ち回ったといえ、かなり過激な発言(「中国との貿易額が大きい同盟国を誰が信じられるのか(同氏の論文での発言」)をしていたスティーブ・ミランの影響力が低下し、G7内での米国の信頼が回復したと信じたい。
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